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ぎこちないけど愛だろう/深井結己 【バンブー】


〔2010/5/27〕

★★★★☆

忘れもしない去年のクリスマスイヴ、手ひどい失恋の
直後でボロボロだった俺は、あのひとに拾われた。そ
してお互いの冷えきった肌をあたためあいながら、あ
のひとはこう言ったんだ・・・・・・・・・。「遊ぼうよ、おれ
と・・・おれも重いの苦手だからさ」それ以来、その呪文
のような言葉に縛られたまま、割り切った関係を続け
てきた俺たちだけど、いつしかそれじゃあ、どうにも
納得できない自分がいて・・・・・・?

表題シリーズが3話。
『そろそろ気づけよ』は、クリスマスイブの日に、7年
付き合っていた男にフラれ、呑んで喫茶店の前に倒れて
いたところを、店主の赤羽に拾ってもらった湯元。寂し
い者同士温めあった二人は以来、1ヵ月半、体の関係を
続けているけれど・・・
という感じに、気楽に始めた二人が、お互い本気になっ
ていたという話。と書いちゃうとフツーな感じだと思い
ますが、そこは深井さんなので、程よい重さがあり、イ
イ雰囲気なのです。

『ぎこちないけど愛だろう』は、正式に付き合い出した
二人。あまりお互いのことを知らない二人は、2ヶ月位
経ってやっと名前を知ったという。そんな中で、髪を触
られることを異常に嫌う赤羽さんのトラウマとは・・・とい
う話。イイ大人が必死で不器用で、でもその抱えた想いを
ぶつけるように、熱く身体を重ねあうという、何かすごく
可愛いくて色っぽい二人でした。まさにぎこちないけど・・・
って感じ。あぁこういうの上手いよね〜。深井さんらしい。

『めぐりくる白い朝』は、出会ってから1年後。苦い思い
出の場所・東京タワーに二人で昇って、良い思い出に塗り
変えてあげたいという赤羽さんが可愛すぎて、ほのぼの。
愛しさがいっぱい伝わってくるエンディングも非常に良か
ったです。


『正直スイッチ』は表題作で登場した、赤羽さんの従兄弟
で、チャラいのに議員秘書のミネと、代議士・氷室の話。
仕事もプライベートも、先生のお世話をするミネ。それは
時に、わざと怒らせて気合をいれさせたり、甘えて頑張ら
せたり。一見先生の優位に見えて実は・・・ というw
正直スイッチ〜www 読みながら、わ〜ぉ、乳首フィー
チャーvと思っていたら、本当にそれがメインだったというw
めっちゃツボってしまって、ここを読むたび、先生が「お前
のここは 正直スイッチだな」って言うのわかってるのに、
笑えてしまいます。是非試してみたいw ・・・相手がいないw

『赤い糸、絡まれ』は、かなりダークで痛々しい話。
幼馴染で初恋の相手に再会したら、片方はヤクザの性奴隷、
片方はマル暴の刑事。ヤクザから取り戻すために・・・という、
SMあり指つめありの、精神的にも肉体的にも痛々しい話でし
た。でもその傷が思わず赤い糸に見えてしまう、そういう
ロマンチックな部分も孕んでいるのが、深井さんの暗い作品
のすごさだと思います。圧巻です。上手い。

『あいのともしび』は、彼氏に別れを告げようと思いつつ、
未練タラタラの男が、居酒屋で隣に座ってきた見ず知らずの
おじさんに自分の想いを語るという話。オチは読めつつも、
そこまで語っちゃう〜?という面白さがあり。最後に登場
した彼氏も、変にイケてるとか可愛いとかじゃなく、ごく
普通の青年だったのが、何かリアルでイイなと。

そんなわけで、優しい気持ちになれるものに笑えるのに痛い
のもありと、相変わらずバラエティに富んだ内容で、ハズレ
無しだと思いました。痛いのはあんまり好みでは無いんだけ
ど、それでも何だか良い塩梅に収めてしまうさすがの実力で、
最終的には、面白かった!となるんですよね。何だろう、こ
のお得感はv 安定してるな〜。★3と迷ったけど、何度も
読みたくなる面白さと、読ませるBLを描く存在ということで
は突出してると思うので、ここは4にしちゃおっと。


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指先で愛を語れ/深井結己 【花音】


〔2010/2/27〕

★★★★☆

ノンケだとあきらめていた大学の後輩・総太と、一夜を共に
した檜垣。晴れて恋人同士v・・・と思っていたら、総太にとっ
て自分はセックスフレンドの一人だという。大学を卒業し、
トレーナーと社会人選手の立場になってからも、体だけの関
係が続いていた。奔放で淫乱な総太は、本気で人を愛するこ
とがわからないと言うのだが・・・!?

前作『それは僕の愛じゃない』のスピンオフで、そちらで主
役だった一総の双子の弟で、バドミントンの社会人選手・総
太と、高校時代からの先輩でトレーナーの檜垣の話。前作と
時間軸が同じなので、その時弟は・・・ってな感じで、両方読ん
だ方がより楽しめると思います。

ある夜ゲイバーで、ノンケだと思って諦めていた片想いの相
手・総太に偶然会った檜垣は、あっさり関係を持てて、両想
いだと、すっかり舞い上がっていた。しかし、恋人になれた
と思ったのは檜垣の勘違いで、総太にとって檜垣は、数いる
男達の一人にすぎなかった。そうこうしているうちに、檜垣
は大学を卒業。バドミントン部の後輩である総太も、檜垣と
一緒にバドミントンをするために、同じ会社に入社するが、
何故か檜垣は既に引退してしまい、トレーナーとなっていた。
やがて、総太がずっと、双子の兄・一総を想い続けているの
だと知った檜垣は・・・

というわけで、奔放なのかと思ったら、実は心の中にどうし
ようもできない兄への想いを持っていた総太と、そんな総太
をそれでも見守り愛し続ける檜垣・・・という、シリアスっぽい
内容なんだけど、総太が愛され上手な一面を見せるので、前
回より少し明るめなトーンでしたね。

しかしホント、檜垣がとんでもなくステキ。結局、諦めきれ
ないし、快楽へ流されがちだし、色々とヘタレなんだけど、
もう何か、世話を焼かずにおられないという感じが、すごく
好きだったなと。おまけの4コマ漫画「動く男」なんか、そ
れが良く出てて、爆笑です。あと「ダブルス組む組む詐欺」
は、何回読んでもそこで笑ってしまいます。こういうシリア
スな中に、プッと力が抜けちゃうようなシーンがあるのも、
前とまた違った魅力で良かったですね。(勿論、ゴックンし
ちゃうところの笑いも)
最後に総太がへへって笑いながら、檜垣のお腹に顔を乗せる
ところのシーンも甘くて大好き。全3話でちゃんとまとまっ
てて納得なんだけど、もっともっと読ませて〜!って感じです。


短編『秘するが花なのさ』は、ひょんなことから付き合うこ
とになった、塾講師の先輩・藤白主任と、後輩・穂積。
深井さんのキャラって表情が意味深なんで、先輩に裏がある
んじゃないかと、いつどこでどんでん返しくらっちゃうかと
ハラハラしてしまいましたが、ただの出来立てラブラブカッ
プルの話で、あ〜良かったw 全体的にピュアメガネ・穂積
が素晴らしいというのがポイントですが、個人的にはお風呂
からお姫様だっこで出てきた攻のナニがバリバリの戦闘態勢
だったのが、妙に印象的w てか何だろう。Hをしてるだけ
の話なんだけど、しっかり面白い。白けさせない。

『君を買い占めたい』は、10年間、凰花グループ三男・瑞希
の教育係をしてきたが、会社を辞めて田舎に引っ込んだ昭輔。
両想いだったけど、これから超大企業を背負うという彼の将
来を思うと傍にいるわけにはいかないと、距離を置こうとし
たのに・・・ 正統派ラブにキューンときましたね。

そんな感じで、今回もがっつり面白かったです。実はこれを
読んだ後に『それは〜』を読んで、またこれを読んで、やっ
ぱり『それは〜』の良さを確認したわけですが、泣かせると
いう意味ではダントツで『それは〜』が勝ってると思います
が、ラブとしては全然こっちも負けてないなと。ともあれ、
檜垣がめちゃめちゃ可愛がってくれるのは目に見えてますの
で、一安心って感じですね。
今回はなんとなく、エロの分量が多く、それも今までよりか
なり頑張ってる感じを受けましたが、どうでしょうか。暗い
話も面白いですが、笑わせるもの上手いですよ。さすが。


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さようなら、と君は手を振った/深井結己 【プラザ】

 
〔2009/09/19〕

★★★★☆

芦屋誠一の従兄弟、氷見啓介が田舎から上京してきた。
実家の旅館を継ぐために、都内にある知り合いのホテルで
経営を学ぶというのだ。
啓介との再会は、誠一にとって懐かしくも後ろめたくもあった。
十年前の夏、高校生のふたりは恋に落ち、誠一は「高校を
卒業したら迎えにくるから一緒に逃げよう」と啓介に約束した。
しかし、都会に戻った誠一が約束を果たすことはなかった。
そんな過去から気まずい再会になるかと思いきや、啓介は
過去にいっさい触れず、誠一と出逢えたことを喜び、優しく
微笑むだけだった。
責められずにすんで安心した誠一は、十年前と変わらずに
優しくなぐさめ抱き締めてくれる啓介に、どこまでも甘え続け
るが・・・。・・・従兄弟の誠一を一途に愛し尽くす啓介と、その
想いを利用しようとする誠一。すれ違う二人の切ない恋の物語。  

どうやら小説の半分くらいまでの話しか描かれていないの
で、小説既読の方には物足りない内容のようですね。私は
勿論読んでませんので、素直に、やっぱ深井さんは凄いな〜
と感動させられたクチですので、★4で。


27歳の会社員・誠一は、見ため命の見栄っ張りな性格。
ある日、従兄弟の啓介が田舎から出てくるということで、親に
金を借りている手前、仕方なく空港に迎えに行くことに。
実は啓介とは10年前の夏、法事で田舎を訪れた際に恋仲に
なり、その後迎えに行くと約束していたのに、そのままにして
しまったという、苦い想い出があった。そんな誠一の前に現れ
た啓介は、ありえないほどのダサさで・・・

というわけで、そんなダサすぎる啓介を、最初は鬱陶しいと
思った誠一だったけど、昔と変わらぬ柔らかい表情や気取ら
ない性格に、あの頃を思い出し、再び関係を持つように。
帰ったらご飯を作って、愚痴を聞いてくれ、体も満たしてくれる。
そのことに、すごく居心地が良いと思いながらも、アホで見栄
っ張りな誠一は、行きつけのバーで一番の美女・マリを落とす
ことに夢中に。

マリは見た目は可愛いけれど我侭で、高価な物を欲しがる
だけのバカ女。でも見た目が全ての誠一は、美女を連れてい
るという自尊心のためだけに、マリを自分の元に引きとめ続け
、そして上手くいかない時は、憂さ晴らしに啓介を酷く抱く。
そういうことをされても、どんな我侭を言われても、啓介は
それを責めるでもなく、何もなかったようにまた優しく抱きしめ
てくれる。そしてついに、マリとの高価な温泉旅行のために、
啓介に金を無心するんだけど・・・


という、本当にどうしようもないロクデナシな誠一を、優しく、で
もどこか悲しげに受け止める啓介という話が4話続き、5話で
終わるわけですが、とにかく深井さんのこの相変わらずの暗め
の表情がたまらないですね。啓介が黙って酷い目に遭い、また
優しく微笑む度に胃がキリキリとさせられるような。

そしてそういうアホ誠一を散々味わった後の5話。
啓介がいなくなって初めて自分の本当の気持ちに気付き、啓介
に会いにいってそこで啓介の本当の愛情を理解した、という
この手遅れな感じがたまらなく切なかったです。
特に啓介の
「17の時 僕は本当に君が好きだった 毎日が夢のように楽し
かった 何年経っても あの時のことを思い出すだけで
僕はとても幸せな気持ちになれるんだ」
っていうセリフと、肩組んでる二人の絵ね。
もう無茶をするには今更なんだっていう、時の流れの虚しさに、
全てを諦めた感じ。そしてラストの「さようなら」。もうヤバいっす。
途中のね、二人がじゃれあって、くすくす笑う場面が結構あるの
が、また更に悲しい場面に作用してるんですよね。


これ、私が読んだ限り、失った青春的な、切ないラブストーリー
だったわけですが、小説では実は全部で35年間の二人が描か
れていて、この後から一気に違う展開になるらしいですね。
誠一が啓介に一途になり、そしてずっと誠一が一番の啓介に
愛情を与えられなかった息子は・・・みたいな、木原さん独特の
ちょっとイタイ系だという話です。そう言われると、最後に収録の
『夏の果実』が、啓介と息子の一番幸せだった時代なんじゃない
かと思わされて、切なくなってきますね。何かこれをここに持って
きたというのが深いと感じれるのは、小説を知ってるか、もしくは
この続きを読んでこそだと思うので(私は人のレビューで何となく
知っただけですし)、もしかして続きも描く気があるということでし
ょうか?このまま美しい初恋物語で終わるのもいいですが、もっと
えぐい所も見てみたいような・・・


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晴れたる青空/深井結己 【バンブー】

 
〔2009/6/27〕

★★★☆☆

勉強だけが取り柄の優等生・衣川と札付きの不良の吉見・・・
普通なら決して交わるはずもないふたりの魂はしかし、ある日
、あの消毒薬くさい保健室の一隅でまちがいなくつながってい
た・・・・・・  そう、互いに息づまるような青春の煉獄の中でもが
きながら、この世でただひとり、信じるべき相手の存在を間近
に感じて・・・。
残酷かつ苛烈なる人生に立ち向かう少年たちとの戦いと彷徨
を鮮烈に描いて至高の名作の呼び声高い表題作をはじめ、心
ふるわす感動に満ちた、現在入手困難な幻の傑作群をベスト・
セレクト!!  

'95〜'99年の既刊作品の中から全8話を収録した豪華版で、
作品名は、『晴れたる青空』 『俺はあなたの犬だから』 『楕
円少年』 『花葬庭園』 『日溜まりの猫』 『優しい夢はそのま
まに』 『ティータイム27:00』 『天使が通りすぎてゆく』 『三
人家族(晴れたる青空の描き下ろし)』 。どれも上手い具合
に未読だったので、多少絵は古いものの、新鮮な気持ちで
読めました。

最近はめっきり明るめの作品が多い深井さんなのに、どうし
ても暗いイメージしか浮かんでこないのは、それだけ暗い
場面のインパクトが強烈なんだろうな・・・と思ってはいまし
たが、これはまた、なかなか凄かったです。そういう時代だ
ったのか、マイブームだったのか分かりませんが、ほとんど
の作品に死が絡んでいて、中にはホラーチックなものまで。

しかし、命を懸けてでも、死んでも尚、殺してでも・・・ そういう
想いの強さというのが共通していて、切ない中にもそれだけ
の深い愛情を与えてもらえるという充足感も味わえたりして、
色々と考えさせられる話が多かったです。

あとは、好きだと言われて本気で「気持ち悪いんだよ!」と
拒絶する話は2つくらいありましたかね?何か、その辺の
セクシュアリティの捉え方の変化に若干時代を感じました。
今の時代ならここまでゲイに対する嫌悪感を露にせず、曖昧
に片付けてしまったりするんだろうな・・・みたいな。たった10年
なんですけどね。

一番好きなのは、やっぱり表題作 『晴れたる青空』 と、描き
下ろしの『三人家族』。実は最初に読んだときは、普通に面白
いな・・・くらいだったんですが、ラストの描き下ろしを読んでか
ら、再度本編を読んで、また描き下ろしを読んだら、たまらな
く好きになってしまい、何回泣いてしまったことか。
主人公が母親を殺してしまったとこから始まり、初恋の人が
ウリやってたり、黙って消えたりと、どうしようもなく悲惨な話
なのに、そこに微かに差し込んでいる光があって、それが描
き下ろしで見事に証明されていて、ちょっとたまらなかったで
すね。実際、この二人、そんなに交流があったわけではない
のに、たったあの保健室での件だけで恋をし、再会で生きる
希望になって・・・どんだけイイ男なんだ、吉見は。ほんと泣け
るわ。

その他は、ホラーなのがあまり得意ではないので、薔薇の
描写が若干苦手でしたが、話は嫌いじゃないです。でもどっち
かというと、『楕円少年』 『優しい夢はそのままに』 みたい
なほっこり系のが好きだったかな。
とにもかくにも、表題作に出会えたことに、大満足です。


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おとうさんは罪作り/深井結己 【バンブー】


〔2009/04/27〕

★★★★☆

や、やめなさい!! こんなところで・・・

35歳の誠人(せいと)と大学生の睦生(むつみ)は、ひとつ
屋根の下で暮らす義理の父子同士・・・ そもそも幼い陸生の
手を引いて連れ子婚した母親は、とっくに他の男とトンズラ
してしまうというサイテーないきさつを経ながらも、残され
たふたり仲睦まじく生活していた。
しかしそんなある日、睦生の部屋で洗濯物を物色していた誠
人はそこで“ホモ”で“近親相姦”な陸生の性的嗜好を窺わ
せるとんでもないブツを見つけてしまい焦りまくり!!
・・・さぁ、禁断の父子LOVEウェイの行方や如何に・・・!?

同時期に花音から発売された 『それは僕の愛じゃない』
相当面白かったですが、こちらもかなり気に入ってます!

表題作は、35歳百貨店勤務の父・誠人と18歳大学生の息子・
睦生。血の繋がりはほぼ無い(父と睦生の母が従弟同士で12年
前に子連れ再婚)ものの、奔放な母親が家を出て以来7年間、
2人は仲睦まじく暮らしていた。そんなある日、睦生の部屋で
誠人は、睦生の性癖を知ることに。いたたまれなくなった睦生
は、バイト先の人に恋人のフリを頼み、その人と一緒に暮らす
と嘘をついて家を出るが・・・

というわけで、実は互いに恋心や欲望を抱いていたけれど・・・
という話で、おとうさんの可愛らしさが全開です。
睦生の子供時代の回想がいい感じ。「ぼくのおとうさんになっ
てくれるの」と目を輝かせているところも、最後にお母さんが
出て行ったときのシーンもすごく好き。
あと個人的には、ホモ本の中身と、気持ちが通じ合った後の睦
生が「いいの? あの本みたいに・・・しても・・・いいの?」って
言ったのがえらくツボにはまって、楽しかったです。


そんな馴れ初めを踏まえて次の話、『おかあさんは恋敵』に
つながっていますが、これは特に睦生のモノローグが可愛ら
しくて絶品!もちろん、セリフも構成も上手いし、過去エピソ
ードが前の話の更に上行く面白さ。

ラブラブな生活を始めた二人の前に現れたのは、家を出て行っ
た母親・樹里。実はこの夫婦、まだ離婚はしていなかったんで
すね〜。で何故か突然、好きな人ができたから離婚してって
言われて離婚届に判を押すんですが、寂しそうな誠人さん。
誠人さんはまだお母さんを好きなのか・・・と悩む睦生。
そんなとき、オバカな母親のせいで、サラ金業者に捕まって・・・

という、奔放でオバカな母親なんだけど、何だか憎めないキャ
ラで楽しかったです。しかも誠人さんのカミングアウトが爆笑!
計算されつくした構成で、笑いも切なさもあって、明らかに変だ
けどいい家族関係になっていて、面白かった。


『INCOGNITO』は貴族×執事。何故か毎晩、夢心地の中で、
何者かによって愛撫されてしまうアーサー。相手は誰だ?と
いう話で、オチの2人の会話が絶妙。

『Priceless』もすごく好きな話。昔エリートで、今は車いじっ
たりして好きなことして暮らしてるおっさん・高中を前から気に
なっていた、元ヤンで土方バイト中のリンが、自転車パンクした
ふりをして近づいて・・・ という始まりのお茶目さから、一転色
っぽい2人の関係になったかと思ったら、今度はシリアスな話に
なったりと、展開が面白かったです。うんうん、一見だらしなさ
そうなのに実は頼れるおっさん、いいよね〜。関西弁なのが特に。

『密めく恋の声』は、10年前に家を出ていた辣腕政治家の息子・
由亮が、父親の死去で家に呼ばれ、子供の頃父親が連れてきた
第一秘書・薫に説得され・・・ と書くと何でもない感じですが、
実は互いに恋心を抱いていたり、薫に暗い過去があったりと
色んな土台があって、奥が深くて面白いです。この話もすごく好き。

そういうわけで、結局全部面白くて、全部好き。前はもっと暗
かったイメージだったんだけど(『その唇に夜の露』のイメージ
が抜けないw)、花音のとこれと読んでみて、だいぶ印象が変わ
ってきたかも。ちょっと暗い部分もありながら、結果とても幸せ
な気分にさせてくれるし、大人のお茶目さもあるし。あとは過去
エピソードの盛り込み方が上手いですね。子供時代の無邪気な表
情とかが物語にすごく深みを出していて、短い話でもグッと惹き
つけられます。勿論、構成や表情やセリフも魅力的で、結局
トータルで好き。改めてすごさに気づいたところで、今までのも
読み直してみたくなりました!


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それは僕の愛じゃない/深井結己 【花音】


〔2009/4/30〕

★★★★★

騙したいわけじゃない ・・・でも貴方が欲しい

編集者の灰塚一総(かいづかかずのぶ)は、双子の弟に
とんでもない事を頼まれた。一夜限りの男に交際を迫ら
れていて、うまく断ってきてほしいと言うのだ。
しかし、弟になりすました一総の前に現れたのは、ずっと
想い憧れていた担当作家の嗣原(ゆきはら)だった。
情熱的に愛を囁く彼に、抱かれたいと望んでしまった一総
は、正体を隠したまま関係を持つが・・・・・・!?

編集者の一総は、2年前に嗣原の小説に出会い、半年前に
担当になってからずっと、彼に恋心を抱いていた。
そんなある日、10年前に両親の離婚で母親について行った
双子の弟・総太に、一夜のお相手にうまく交際を断ってき
てほしいと頼まれてしまう。断りきれない一総は、しぶし
ぶ待ち合わせ場所へ。しかしそこにいたのは、何と憧れ続
けていたの嗣原。
高校時代の初恋の相手だと、一途に気持ちをぶつけてくる
嗣原に、総太のフリをする一総は、この人が欲しいと、総
太で居続けることにするが・・・

全3話になっていて、土台としてはあらすじのように一見
ありがちな設定っぽいので、1,2話は、あ〜本当のこと
言えるんだろうか〜と、普通に読んでたんですが・・・
3話で見事撃ち抜かれました!

とにかくセリフが上手い!表情も言動も、弱い部分が見事に
表現されていて、切なくてたまんなかったです。
「鋏」のくだり、「傷つけてごめんなさい」と震える手、
マラソン前日の出来事(総太の無邪気さが余計に)と、一人
土手道を走る姿、「おれと総太の区別がつく人は 皆 総太を
選ぶ おれでもいいと言ってくれるのは おれと総太の区別
がつかない奴だけだ」という、なんともやるせないセリフも
すべてに彼の人柄が表れていて、愛しかったですねぇ。
嘘はいかんけど、それを全て許せてしまう彼の一途さに感動。
大好きな人の声で初めて呼ばれた自分の名前に涙するシーン
も絶品。感無量です。


『ウソツキの秘密』は、課長×部下のコメディ。要領良く嘘を
ついてフォローしてくれる長谷川課長に、実は恋心を抱いてい
る市来。社員旅行に参加しないという課長を、ヨコシマな気持
ち全開で、強引に参加させた市来だったが・・・
萌えました〜。課長の告白シーンがたまらなく萌えました!
そして酔っ払ったフリの嘘つき具合が愉快すぎて、したら最後
にあんな表情するんだから。もぅ課長!反則!

『なみのまにまに』は05年の花音デビュー作らしいです。
ベドルヌイという国の歴史を研究している大学教授・荻原
(35)と、彼に憧れ大学に入った工藤。王立大学の客員教
授として3年間ベドルヌイに行く事になった教授は大喜び。
ツンケンしていても、本当は教授を好きな工藤は・・・
教授の襲い受です。 ん〜切ない。でも笑える。

描き下ろし『誰かのだいじな 誰かのはなし』は、表題作の
二人のラブラブ後日談。なんだけど、偶然同じ店に居合わせ
た弟・総太とトレーナー・檜垣の恋バナの、予告編のような
感じになってます。あ〜続き読みたい。

そんなわけで、実は朝からもう何度も読み続けているんです
が、な〜んか、読む度に細かい部分が違う角度で目に入って
きて、何度読んでも新鮮で、でも毎回同じとこで泣けてしま
うという(笑) 良い味出してるな〜。


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祈る人/深井結己 【バンブー】


〔2008/11/27〕

★★★☆☆

「滝野・・・お前っていっつも何を祈ってるの?」
高校の卒業式を翌日に控えたある日、視聴覚室の暗闇の
中で深町が発した思わぬ問いかけ・・・そしてふたりの苦悩
とあきらめの日々は終わりを告げ、新たな煩悶と葛藤の
日々が始まった・・・。


97年発刊の『祈る人』、01年発刊の『祈る人 2』 がまと
めて一冊になった完全版です。

高校の同級生で、互いに恋心を抱いていながら打ち明けられ
なかった滝野と深町が、卒業式前日にやっと恋人同士になれ
た・・・という話が第1話。そこから地元で就職する滝野と、
東京の大学に進学するため上京する深町は、遠距離恋愛に。

まぁあれやこれやと色んなエピソードがあるわけですが、彼ら
の根底には、しっかりと愛がありまして、結果的には今後も
こうやって引っ張り合って仲良くやっていくんだろうな・・・と
いう、ほんわかとした気持ちになれます。と言ってもやはり
深井さんですから、結構ヘビーな(心身ともに)描写もあった
りして、ドキーッとさせられることもあり。そういう刺激と
アホっぽい部分とものバランスが絶妙で、かなり世界に入り
込んじゃいましたね。うん、ホント、深町のアホさに救われた。


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きみが居る場所/深井結己 【バンブー】


〔2003/3/7〕

★★★★☆

妻に先立たれ、幼稚園児のひとり息子・隆一郎を抱えて
八百屋を切り盛りする隆美のもとに、ある日ギターを抱
えたゆきだおれが一人・・・ なんとそれは昔、東京へ転校
してしまって以来音信不通だった悪友・西中島健人だった。
着のみ着のまま一文無しの健人はとりあえず八百屋に
転がり込み、男ふたりと幼稚園児の奇妙な同居生活が始
まるのだが、健人は誰にも言えない秘密と決して消し去る
ことのできない熱い想いをその胸中に押し隠していたの
だった・・・。

深井さんといえば、重い痛い・・・なイメージなんですが、
この表題作、相当ハートフルです。何といっても隆美の
息子・隆一郎のあけすけな発言が際立つ、関西弁の威力
ですね。このコの言動だけを追っていっても楽しめると
いう。

幼馴染でありながら、数年前引っ越して以来連絡の
取れなくなった健人が突然現れる。実は健人はずっと
前から隆美に恋心を抱いていたが、鈍感な隆美は気付く
ことなく、結婚し子供も産まれ。
家に帰りたくないという健人を理由も聞かず置いてくれる
隆美。そして健人は隆美への想いを告白するのだが・・・

「健人が好きやから・・・俺にできることは何でもしてやる」
って言葉にしたところは勿論、普段の場面から、健人の母親
に啖呵きるとこまで、隆美が健人を大事に想っているのが
すごく伝わってきて、あー隆美いいわぁ、と思っちゃいます。
八百屋のおっさんなのに。 
やーでも、やっぱ隆一郎の存在はかなり大きかったですね。
末恐ろしや。

こんなテンポのいい、コネタ効いた面白系(でも基本的な
部分は、ゲイとしての健気さあり)も描ける人だったとい
うのがわかって、すごく嬉しい。こういうのももっと描い
て欲しいなぁ。関西弁で。


『demode』と『frosty』は、既婚者ノンケの国語教師・佐賀
×ゲイの図書館司書・高石。ノンケが見事に堕ちていった
感じが、たまらなくいやらしくて良かったです。高石の卑屈
な感じも。

『恋情』は過去関係のあった元同僚が、刑事と容疑者として
再会するという、切なさ満載でたまらんかったです。

『垣根の向こう』は、隣の年上の幼馴染・駿くんに恋心を
抱いていた光だったけど、その駿くんが結婚したのは、自分
の姉で、そんな姉を疎ましく思って、死んでしまえばいいと
思っていたら、姉が病気で死んでしまい、自分の想いの浅ま
しさに罪悪感に苛まれる光。実は駿くんも・・・ という話。

構成が巧くて、心理描写が細やかで、ホント惹きつけられ
ますよねぇ。恐ろしいことに、一冊丸ごと、ノンケの男にゃ
嫁がいて・・・という「嫁受難」な話ばかりになっているとい
うのが、なんとも面白いじゃないですか。自分がその位置に
はいけないという、ゲイならではの切なさが際立ちますね。
で、そんな悩みをぶっ飛ばしてくれるノンケの熱さで、乗り
越えちゃって、性別も超えて、思った以上に愛されちゃうと
いうのは、どうしてか非常に萌えますね。


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砂の下の水脈/深井結己 【バンブー】


〔2005/2/28〕

★★★★☆

ある日目覚めた絹一郎は、おのれの声の、おのれの肉体の、
突然の変化に恐れ戦いた。自分は子供で、まだ小学生のはず・・・
なのに、これじゃまるで高校生の基哉くんみたいじゃないか?
一体なにが ・・・・・・「やっと目覚めましたね?」そこには
絹一郎が知るよりも遙かに大人びた基哉がいた。限りない愛
しさと、しかし同時に底なしの悲しみをその虚ろな瞳に湛えて・・・。

あらすじの表題作は、ミステリアスで先の読めない展開で
とーっても暗ぁく重ぉく・・・ 面白かったデス。映画観たみた
いな気分ね。

でも私的には、最初の『0.02』がすごく好きだったなぁ。
真島が面接のために髪を染めたことから始まり、篠田が
メガネ外して顔を洗ったため見えなくて上野と勘違いして
真島にしゃべってるとこから、全てがバッチリ伏線になっ
ていて、最後はかなりグッときちゃいました。

この本、ほんとにかなり陰湿な話ばかりですけど、しっか
り構成が練ってあって、読ませてくれる一冊になってます。
絵は上手いというほどでもないんだけど、構図が魅力的
だし、そのあまり上手くないことが余計生々しさを出して
るのか、結構えぐられる感じです。
残念ながら『Trillium』だけはあんま好きではないかな。





秘書とボディガード/深井結己 【バンブー】


〔2008/2/27〕

★★★☆☆

ボディーガードはあくまでも表の顔、実は浮気の内偵
という密命を帯びて選挙戦直中の代議士 庭本聡一に
雇われた川端律だったが、そこで庭本とその秘書 春沢
和仁がただならぬ関係にあることを示す決定的瞬間を
目撃してしまう。
密かに春沢に想いを寄せていた川端は、嫉妬と悔しさに
煽られるままそのスキャンダルをネタに春沢に自分との
関係を強要するのだが、単なる政界の愛欲模様かと思わ
れた二人の関係には余りにもせつない真実が秘められて
いたのだった・・・。

全5編。
さぁて、今回もまたネガティブモードな話が満載です。
いやしかし、どうして、この人のメガネ受は結構クセに
なります。頭が良くて根暗で、したたかに駆け引き、
でも可愛らしい、みたいな。

期待していたこのタイトルだったけど、私的には表題作
より『悪い癖』『神様だけが知っている』『忘れじの唇』
が好きかな。

『悪い癖』は、部下に振り回されている課長が超可愛い。
自分の腕の中で眠る安城をかわいいなぁって言ってるアンタ
が可愛い。これって、最初の安城の想像では課長が攻めて
ますよー。うけるぅ。安城くん、あなた充分ヘタレ攻です
から。面白いなぁ。この二人のこの後のドタバタも見たい。

短編でも充分面白いんですけど、この方のはひとつの話
をじっくりというか、じっとりねっとり味わいたいかも。





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イトラコナゾール