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ラブストーリー/西田東 【ディアプラス】

 
〔2009/9/30〕

★★★☆☆

巡礼の旅をするダニエルは騎士・レオナルドと出会う。
身分や考え方の違いから、最初は反発する二人だった
が、共に旅をするうちに心が近づいていく。だがレオナル
ドには想い人がいて・・・・・・。中世を舞台に描かれた愛の
物語「ラブストーリー」。 海外出張中に漂流した無人島
で始まる上司と部下の禁断の恋「パラダイス・パラダイ
ス」を同時収録。

何なんでしょうね〜、この不思議な味は。シリアスなくせ
に「どてちん」とこけて笑いを誘いまくり、そのくせ、最後
にはジ〜ンときてしまう。今回なんて特に、巡礼者と騎士
なんていう、胡散臭さ満載な設定なのに、どこまでも人間
くさい西田節は、どんな人が主人公でもオールマイティ
なのね。

同時収録の『パラダイス・パラダイス』 は、ゲイのリーマ
ンが、妻子持ちのいけ好かない次長と無人島に漂流と
いう話ですが、こういう設定はまさに、西田さん独特の
ダサリーマンが味わえますね。 次長、ステキ。

全く毛色の違う2つの話はどちらも面白かったですが、
やはり現代設定の『パラダイス〜』の方が、心理的にも
判りやすくて好きだったかなという感じです。ややパンチ
不足のような気もしますが、でもこの雰囲気は、いつまで
たっても飽きない珍味なんですよね。


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彼の肖像/西田東 【ディアプラス】


〔2004/7/30〕
 
★★★☆☆

実家で金目の物を物色していた夏樹は、泥棒と間違われて
画家である母親の弟子、麻生に取り押さえられる。母親の
お気に入りの麻生は、ゲイナイトでスポットライトを浴びて
踊るもうひとつの顔を持っていた。そして仮面を脱ぎ捨てた
麻生は夏樹に遅いかかる・・・・・・!!

西田作品の中で唯一読んでなかったコチラ。どうも地味すぎ
る表紙(いつもかw)で、なんとなく後回しにしてましたが、これ
で制覇したはず。そして中身もやっぱり地味で、結構な割合で
性格悪い人ばっかなのに、何でか憎めないショボさがですね〜
味があっていいんですよねぇ。

基本シリアスなのに、本当にどうしようもなくアホな(褒め言葉)
ギャグが挟まれていて、まさにコミカル。ふざけているのに、最
後は何となくじんわりさせるような、微妙なドラマチック具合が、
他の人には絶対描けない、西田節ですね。

表題作は全3話。日本画の大家である母親を持つ金銭感覚皆
無で、金が無くなれば家に戻ってくるようなロクデナシ息子の夏樹
と、母親の弟子として家に出入りしている麻生。
実はこの麻生、母親もお気に入りで、まるで実の息子のように
可愛がっているが、本当はクラブのゲイナイトで踊っては、男を
持ち帰るような遊び人。元々麻生のことが気に入らない夏樹は
そんな麻生の正体を知って・・・

たった3話の短い話なのに、なぜにこんなに展開するという、とん
でもなさが楽しかったです。ヘタレな攻が成長していく感じと、どこ
までも自分を貫く野心の塊みたいな受の組み合わせが面白い。

『誰がために』 は、サラ金の二代目社長・猪瀬と実質経営者な
社員・山崎。先代に拾われ、尊敬していた山崎が、経営能力の
ない現社長のために、現在の会社を倒産させ、新しい商売を
させてやろうと考えるんだけど、現社長が勘違いしてしまって・・・
という、中々他では見られない、ここまでやるんだ〜という、とん
でもない「愛」が巧妙な話でした。

『隣の部屋で』 は、防音設備のない、安マンションの独身寮の
隣同士の話。隣の市川は、しょっちゅう女を連れ込んでいる、
バリバリのノンケ。そしてゲイの五十嵐は、明るく皆に当たりの
良い市川が気になりつつも、全く違う世界のヤツだと割り切って
いる。だがある日、市川に男との情事を知られてしまったことから、
二人の間に会話はなくなり・・・
という正反対な二人が不器用にくっついていくダサさが面白い話。
描き下ろし 『隣でヘアが』 はその続編。っていうか、バカすぎる!
だけど何かキュンとくるという、本当に変な作風が、クセになりま
すね。「・・・・・・でも俺は どうしてもおまえのカレシになりてーから」
って、お〜っとくるような台詞をはきながら、「ツルツルに」で笑わせ
るというどんでんが、楽しすぎです。

そういうわけで、割かし哀愁少なめのライトな感じだったので、
★3にしてますが、これでも十分面白いです。
やっぱりこのセンスは、すごいですね。



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ドント・クライ・マイ・ベイビー/西田東 【バンブー】


〔2009/2/27〕

★★★★☆

聴かせてくれ、おまえの魂の旋律。

クールな仕事人間という周囲の定評の中、しかし人知れず
言葉にできない心情的ギリギリ感を抱えながら日々を生き
る藤田だったが、ある時、ある男とのオフィスの窓ガラス
越しの出会いによって、そんな心のタガが少なからず外さ
れるのを感じ、衝動的にその窓清掃の男・小野を誘ってし
まう・・・
しかし結局、あと一歩を踏み出すことができず悶々と・・・
窓清掃は仮の顔、その本分はせつない恋心を歌い上げること
に人生を燃やすミュージシャンである小野は俄然、藤田に本
当の自分を生きさせるべく熱くしみじみ奮闘するのだが・・・!?

いやもう、面白すぎでしょう!
あらすじの話が『ラブソング』と『ドント・クライ・マイ・
ベイビー』の2部作。話の内容についてはあらすじで完璧
に説明されてますけど、この西田ワールドの面白さは、読ん
でみなけりゃわからない。だってあらすじってちょっと男前
風な感じだけど、中身はとことんダサいオトナですからね。
みっともなさの美学。そこそこ安定した生活をしているリー
マンの、恋に対してだけの無防備さが、たまらなく愛しい。
ノンケ×ゲイ。だけどどっちも男初体験。「先っちょ」が
超ウケました。 いや、マジで面白いです。

『個人的な感情』
ダンナの留守中に人妻と楽しんだら、そのダンナが自分の
上司だった。しかもその人がゲイだと知ってしまって・・・
というこちらもノンケ×ゲイ。ゲイじゃないんだけど、男の
人(しかもおっさん)が可愛く見えてしまうという、恋フィ
ルターがかかっちゃう攻がたまんないですね。

『女房の恋』
妻が浮気してるらしいと勘付いているノンケ部長と、部長に
恋心を抱いているゲイ部下。マジメな話なのに「アイスにょん」
とか、所々でへニャッてさせられる遊びがあって、ウケる〜。

『KING』は、まぁ別に嫌いな話でもないですけど、シリアスな
異国モノということで、自分的にはさらりと流す感じで。主従
好きな人はかなり好きかと。

「あとがき」は、どこからつっこんでいいのかわかりません(笑)
こんな部分でさえ、無駄なコマが一切無い。どんだけ面白い
んですか。

というわけで、長編も勿論面白いんですけど、麗人の短編
リーマンモノがやっぱり一番面白いなぁ〜。
仕事での凛とした姿と、恋に不器用なダサさとのギャップや、
ある日突然世界が一変しちゃうようなドラマチックさもあり
がなら、どうにも人間クサく、みっともなくしかならないと
いうリアルなイケてなさ。どれもこれもが愛しくて、攻の目線
同様、読んでる方もおっさんを可愛いと思えてしまう。合間
のラクガキみたいなギャグも絶妙なタイミングで、はずしま
せんねぇ。

やーホント、こんなに面白くていーんだろうか。そしてそれ
を充分に伝えきれない自分のレビューは、こんなんでいーん
だろうか。
いやぁさすが、すごいセンスです。ステキすぎです。


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LIFE,LOVE(1巻)/西田東 【花音】


〔2008/12/27〕

★★★★☆

再会したとき二人は、狩人とその獲物だった。

「ジャック、男に抱かれていいと思ったのは、おまえが
初めてだ」
海外の視察先で政治家の養父と間違われた新海隆裕は、
マフィアに誘拐されてしまった!
マフィアの下っ端・ジャックの部屋に監禁された隆裕は、
養父の救いを待っていたが、汚職事件の発覚した養父が
自分を見捨てたと知り・・・!!?
マフィア×政治家秘書、目を逸らすなスリリングラブ!

希望も持たず、文字の読み書きさえできず、狭い世界で
マフィアの犬のような生活をしてきたジャックと、政治
家の養父に引き取られ、世界中を旅して欲しい物も沢山
あってと、欲求のままに生きてきた隆裕という、全く世
界の違う二人が一度は普通に出会ったのに、再会したとき
人質と見張りという関係に。養父の助けを信じていた隆裕
だったが、やがて養父の裏切りを知る。次第に隆裕はジャ
ックの純粋な部分に惹かれていく・・・ゲイではないのに・・・

ん〜イイ!1回読みでも面白いと思ったけど、何回も読む
うちにジワジワといい味が染み出てきて、改めてこの人の
漫画の上手さを感じ、好き度が上がっていくという。さすが。
相変わらず、シリアスとギャグの部分のバランスが絶妙で、
ハッと息を呑むようなシーンがあったかと思うと、どうし
ようもなくゆるゆるな部分もあって、そのみっともなさに
よって彼らのことをより愛しく思わせてくれるんですよね。
なのでアホな部分=好きな場面、だったりします。

そういうわけで、本当の「違う世界」を見せてくれる存在
に互いに出会った二人が、どういう暴れっぷりを見せてくれ
るのか、2巻がひじょーに待ち遠しいです。あ、そいえば
だいぶ絵が男前になってきましたね(笑)


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天使のうた(2巻・完結)/西田東 【ディアプラス】


〔2008/4/26〕

★★★☆☆

父親が死んだ36歳を迎え「破滅の年齢」だと言ったクリス。
息子・アレックスが暴漢に襲われた夜、見舞いに訪れた彼は
アレックスに暴行しようとし、その後失踪。次第に彼を蝕む
狂気。
寒空の下、震えるクリスを見つけたミシェルは、思わず彼を
抱きしめ、激しく求める・・・!!

2巻完結です。 1巻はこちら。

1巻は割とローテンションで終わった感じでしたが、ここからは
ひたすらガンガンえぐってきましたね。思っていた以上にクリス
の中の秘められた狂気が根深いものだったということがわかり、
もう、ドキドキでしたよ。だって表紙こんなで恐いし。

今までの作品のどれより文学的要素が強めなので、心情の描写
がより複雑で、理解するのが結構難しかったです。
父親の呪縛に囚われながら、自分の血と闘って音楽を守ってきた
クリスを受け止められるのは、もうミシェルしかいないな、とい
う感じで、ダイブ最高でした。何かこれはもう、映画を観たよう
な気分だな。BLとかそういう枠超えて、物語を構成する才能に
驚くばかりです。すごい。





天使のうた/西田東 【ディアプラス】


〔2007/7/30〕

★★★☆☆

最愛の妻と子供を事故で失い、人生に希望を見出せない医師
ミシェル。ある日ゲイストリートに迷い込んだ彼は、かつて
知り合いだった少年を目撃する。
その少年・アレックスは美形の音楽家、クリストフ・アドラー
の息子。アレックスのことを相談しにクリスの楽屋を訪れた
ミシェルが目にしたのは、男と戯れるクリスの姿だった・・・。

多分昨日くらいに2巻が出たと思いますが、地方なもので、
数日中にはゲットできるかと思います。とりあえず1巻だけ。
実は登場人物がカタカナだったらちょっとだけ引いてしまう、
超「邦」な人間なので、うーん・・・とややテンション低めに
読み始めたわけですが、初っ端のドタバタと、子供がミシェル
のお腹に聴診器あてて「ちょっとブヨブヨしてますねー」
これで不安は全部吹っ飛んだ。以降はやはり西田作品らしく、
すごく軽快なテンポで読ませてくれて、先が気になって仕方
ない!

ミシェルが41歳の誕生日に妻と子供を思い出し、「人生は長い
な いつになったらおまえ達のところへ行けるんだ・・・?
疲れたよもう・・・ 疲れた・・・」 にはやられたね。地位も名誉
も手にしたオヤジの底に落ちた時の哀愁が切ないよ。この絶望
から彼がクリスとアレックスという親子に関わってどういう風
に生きる希望を見出すのか。そして親子も愛にどうやって向き
合っていくのか、すごーく楽しみです。

今回は一対一じゃなくて、珍しく子供が絡んできているので、
はっきり言って全く先が読めません。いや、毎回か。いつも
先を読ませない、上っ面じゃなくガンガン深いとこ攻めてきま
すからね。やっぱ巧いよ。策士って感じ。





見つめていたい/西田東 【花音】


〔2004/6/29〕

★★★★★

堅物課長の山口は、若く不誠実な男、阿部カズキに翻弄され
ていた。「こいつは俺をからかって楽しんでいるんだ。飽き
たら去ってくさ」
電話には出ない。金遣いは荒い。待ち合わせに女連れで来る・・・
それでもどこか無邪気な阿部を山口は放っておけず、構って
しまう関係を続けていた。
だが、阿部の思いも寄らない純情に気付いた時、山口が諦め
ていた全てが彩りを変え熱く目覚める!
大人だから無茶なんか出来ない、大人だからこそ素直になれ
ない。でも・・・!


いやー。また泣かされたぁ。
メシを食わせる、そんなことから始まった体の関係に、山口は
からかわれて遊ばれているだけだと思っていた。だけど今時の
チャラチャラしたフリーターにしか見えないカズキの純情が。
ってな感じで、カズキがすごく可愛いんです。山口からの電話
を待っていたり、山口が来ない待ち合わせ場所を遠くから哀し
そうに見ていたり、ケンカしながらも山口が娘を大事にしてい
ることを理解し自分が身を引いたりと、結局おっさんの人生を
狂わせたくないという想いから、最後にはただ時々姿を見るだ
けの選択を・・・と、こんなコに惚れちゃったら、そらおっさんも
溺れるわ。

これはまた、目線と間が絶妙。
会社でアメリカに行く話をしたときの、全く目を合わせない二人
とかたまらんね。ついて行きたいってすがって欲しいような
おやじの間とか、サンドイッチ屋の笑顔のカズキを見つけたとき
の目線三段階とか。最後のシーンの目線だけでの会話は、読み終
えた後でも思い出して、なんかずっと泣けるんですけど。ヤバイ。

不確かな関係で、家族と仕事という柵のあるオヤジが本当に
自分を必要とされたら、っていうどうにもエネルギーを必要と
する面倒なことに突っ込まずにはいられない、そんな風にオヤジ
が相手を溺愛していく描写が巧いです。
もう、どんだけすごいんだこの人は。





目を閉じないで/西田東 【バンブー】


〔2004/10/27〕

★★★★★

営業畑から業務部へと異動になった村上は、新上司である
花田次長に対してとまどいを隠せなかった。
それまで、男から男へと刹那の関係ばかり繰り返していた
彼にとって、花田のまっすぐでおおらかな温かさは好きに
ならずにはいられないと同時に、自分とは相容れないであ
ろう“正”の輝きに満ち過ぎていたから・・・。
しかしそんなある日、ふたりの関係を大きく変えるとんで
もない事件が・・・!?


面白いよなー。表題作を含めて全6編。最後の『LOVE・HATE』
が前作『奪う男』に収録の『LIVE&LET・・・』の続編となって
ますが、これだけでも充分面白いです。相変わらずな強気な
二人が面白い。リバだな。

期待して読んだけど、驚くほど期待以上の内容なんで、
もう楽しくてしょうがありません。
「メガネでもおまえは充分アレだ!なんだ!しらんけど」
(しらんけど、って)
「犬の死骸」
(本人が言っちゃってるし)
もうこれだけで何回でも笑える。

みっともないの美学。言いたいこと言い合って、さらけ出した
からこそ触れられる部分、みたいな世界。ここまでダメな男を
描く人って他にいないなぁ。いやむしろ普段仕事はちゃんと
してて、すごい男前だったりするんだけど。だからこその
しがらみとかが切なくて、反動でダメなとこがめちゃめちゃ
弱っちくて、はぁ〜ってなってしまう。いい年こいてすがる男、
って結構武器になったりするんじゃないの?と思わされる。
そんだけおっさん達がカワイく描かれているんですね。
この人の視点は面白すぎる。





影あるところに/西田東 【ディアプラス】


〔2005/2〕

★★★★☆

外科医 中道の医局にやってきた調子のいい後輩 堤は、
脳梗塞で倒れた院長の息子。その院長と付き合っていた
中道は、居心地が悪い。
そんな折、院長は他界する。父親を奪った相手として
憎みながらも、中道を心配する堤は、彼に以前の笑顔を
取り戻してほしくて・・・。

小児科医 中道の元に、中道の愛する院長の息子 堤が
研修医としてやってきます。自分の父親と交際していた
ことに嫌悪を覚え、気付けばイヤミをいってくる堤だけ
ど、うまくかわす中道。そのちょっと奇妙なやりとりと、
ひとりになった時の中道の表情の落差にガツンとやられます。
ズバリ、会話の妙。二人の掛け合いのテンポが最高です。

堤がティッシュの花を降らせるシーン
「先月の誕生日 おめでとー」「風邪が治って おめでとー」
は、泣けたなぁ。中道を心配する堤が、とっさに祝った何
でもないこじつけと笑顔が、たまらんです。
そんでこの後の「ごめん」連発のシーンに繋がるという、
どんだけ盛り上げますか。

ちょこちょこ入る、悪ふざけがまた上手い。
父親が危篤で急いでICUに向かう堤のシーンの後に、中道に
先生コレあけてぇと箱を差し出す女児。開けたらボヨーン
とびっくり箱。その次のコマが院長のご臨終の顔ですよ。
なんだーそのふざけシーンの入れ方は。

そんな風に、シリアスな話なのに、人間のみっともなさ
みたいなものをサラッと入れてくるのが、なんともリアル
に感じられて、ホモをかわいく感じてしまうのだよねぇ。
珍しくエロがなく、最後まで二人がそういう関係になって
なかったのが、何かこう、中道の傷の深さと、深い部分を
見ようとしている堤が感じれて、これからの二人を想像
させてくれて良かったです。
ま、でもきっと、中道はバリバリの誘い受って感じですけ
どね。むふふ。

とにかく巧い。BLじゃなくて、人間愛として充分通用する
んじゃないかという心理描写の巧妙さに、シビれます。






奪う男/西田東 【バンブー】


〔2002/4〕

★★★★★

「またアイツがやってきやがった。俺を打ち負かすた
めに・・・」
高校大学の同級生 樋口ハジメが自分の部に配属されて
きた時、営業マン 本多カオルは俄然ブルーになった。
思えば昔からオレはアイツに何でも奪われっぱなし・・・
バスケ部ではレギュラーも部長の座もとられ、つきあっ
てた彼女もいつの間にかアイツのもの・・・その上今度は、
せっかくつかんだ主任の立場まで脅かそうっていうハラ
なのか・・・!?
戦々恐々たる本多だったが、思いもよらぬ樋口の自分へ
の想いを知るに及び、無意識のうちにずっと抑えつけて
きた己の激情の熱さに気づくのだった・・・。


西田さんのファーストコミックスです。
表題作を含めて8編入ってますが、はっきりいって、
全部面白い!
こーんなに華やかさのないBLも珍しいですが、それで
もガンガンハートにくるのは何ででしょう。
エセリーマンじゃなく、ちゃんとリーマンである設定が
これでもかというくらい意味があって、そのどうにも
こうにもな感じがたまらない。

途中のギャグも面白いですが、この本の作品は、どれも
キュートなオチが光ってて、読後感がとっても良いのです。

計算してなさそうに、テキトーに描いたフリして、実は
巧妙っていう。マンガの上手さって何だろう。絵が上手い
から、あんた将来漫画家になれば?っていうのが、私の中
のちょっと前までの漫画家の才能だったんだけど、こうや
って不器用系の絵の人の、絵そのものの画力じゃなくて、
表現としての画力を見せられるたびに、鳥肌立つ思いがし、
今まで食わず嫌いでゴメンナサイって思うのです。ま、でも
ここでイコール、絵があまり上手くないって言ってるのも
失礼な話ですけどね。

そんなわけで、すごーく気に入って、昨夜からこれしか
読んでません。不思議と何度読んでも新しい面白さがある
という、西田リーマンの満喫できる一冊です。重版に感謝。





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イトラコナゾール