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白のころ/三田織 【マーブル】


〔2012/7/20〕

★★★★☆

片田舎で暮らす太一の中学に、都会からの転校生・藤がや
って来た。背が高くクールな藤とチビで元気者の太一、見
た目も性格も真逆なふたりだったが、バスケをきっかけに
意気投合。格好いい友達が出来たことに、ひとり浮かれる
太一だったが、藤から突然キスをされて・・・?

やぁもうこれ、本当、大好きですv 全てツボ。
ちゃんと発売直後には購入して読み終えていたんですが、
すごく気に入ったから後で大事に書こう・・・と思っていたら、
もうこんなに時間経っちゃってましたw 途中何回も読んでる
んですが、いつ読んでも同じようにクスッとしたり、ほんわ
〜とさせられたり、何か不思議な威力を持った作風です。
というわけで、デビューコミックスの作家さんで、2011〜
2012年にCabで掲載の5作品にそれぞれの描き下ろしをつ
けて収録されています。掲載作品そのままでも充分面白いん
ですが、このおまけが付くことで本編の補足がしっかりされ
ているので、より深みが出ていてグーでした。

表題作はあらすじの話。田舎の中学校に通う太一のクラスに、
3年生の2学期でもうすぐ卒業だというのに、都会から転校
生・藤がやってきた。イケメンでクールそうな藤を、皆が遠
巻きで見る中、バスケットコートを使いたがっていた藤に自
宅の庭にあるゴールを使っていいよと声を掛けたことから、
太一は藤と親友に。しかしいつも藤と行動を共にしている太
一をクラスメイトがホモだとからかってきたことから、太一
は複雑な気持ちに。そんな時、藤が卒業したら地元・横浜に
戻ると聞き、これでホモにはならずに済むと安堵するが・・・。

太一が可愛いんですよね、小猿みたいに元気で可愛らしい、
いかにも田舎の中学生という。そんなまだ恋なんて考えたこ
ともないような純朴少年が、急に好きだと言われて、彼が望
むものは何も返せない・・・という淡い想いにキュンキュン
しました。またこの描き下ろしもすごく好きで、こちらは藤
の想いにキュンキュンウルウル。藤にとってあの数ヶ月は特
別な時間だったんだろうな〜という。

『春は半歩先』は、仕事に集中したいからと花屋に勤める恋
人に別れを告げられてしまった地味なリーマン・森口が、や
たら懐いてくる社長の甥で能天気な幸男に戸惑いながらも、
彼のお陰で前向きに・・・という話。
やばい、幸男がアホカワすぎる!w 最初の登場シーンも可愛
かったし、途中でチーズを買いに行ってる姿の「ベサメム〜
チョ〜♪」を見ると何回でも笑えてしまうw
この先、どういうお付き合いをしていくのかすごく謎な二人
ですよねw

『オフィーリア』は、美術室に展示してあった絵に一目惚れ
し美術部員になった由良が、学祭に訪れていたその絵を描い
た本人で美大生の葉山先輩に接近。先輩そのものに惹かれて
いって・・・という話。
これも由良が素直でちょっとオバカで可愛い〜v 造ってる作
品がおもちシリーズだとか、喜びのゆらの舞だとかw、ほの
ぼの〜っとしますね。

『クリスマスブルー』は、クリスマスを1ヵ月後に控え、彼
女にプレゼントに高価なお財布をねだられているため、短期
バイトでもしなきゃと思っていた、定食屋でバイトするあお
いが、常連客の男性リーマン・睦彦に好きだと告白され、自
分の話し相手をするバイトをしないかと持ちかけられたこと
から応じてみることに。だけど本当に、まったりとお茶を飲
んだり年賀状作りの手伝いをするなど楽勝なバイト内容で、
そんな何気ない時間を過ごすうちに、そこまでして自分と過
ごしたいという睦彦の気持ちがわかってきて・・・という、奥手
で地味なゲイの人とノンケの若者の話でした。
睦彦がごく普通の民家でばあちゃんと二人暮らしというのも
あって、何かこのとっても垢抜けてない空気が良かったです。
最後に「にぶちん野郎」と怒られて、何で!?って言ってる
睦彦が可愛かったw

『まほうのおくすり』は、頼正と日野という高校から付き合
っている仲良しカップル。ゲイだということを母親から病気
だと否定され、学校ではからかわれと、一時は母親の作る「
病気が治る薬」で治せるものなら治したいと思ったこともあ
ったけど、日野君と出会ってからは男の人を好きだという気
持ちが悪いことだとは思わなくなって・・・という、ほんわかと
した空気の割には意外に真剣なテーマですが、何か素敵でした。

というわけでもう一回言っちゃいますが、全てがツボでしたv
雰囲気的には、小鉄子さんと秀良子さんを混ぜたような感じ
でしょうか。でもちゃんとこの方独特のやさしい雰囲気があ
って、がっつりと恋愛しますよという感じではないですが、
じんわりと惹かれていく無理のない展開が心地良くて、地味
にキュ〜ンとさせてもらいました。
作者さんがキャラを幸せにしてあげたいという気持ちがすご
く伝わってくる、非常に癒される1冊でした。今後も追いか
けますよ。早く新作読みたい!


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