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コーラルマーチ/今井ゆうみ 【Baby】


〔2010/2/24〕


★★★☆☆

卒業間近、音大を目指す真矢は、毎日ピアノを聴きに来る
美波にそっと恋をしている。秀才でかっこよくて、女の子
にモテる美波。告白する勇気はないけれど、叶うならただ
ずっと側にいたい。日々募る臆病な恋心、メロディに乗っ
て君に伝わりますように・・・。

表題作が2話。
ピアノがきっかけで親しくなったけどずっと平行線だった
二人が、卒業間近の2月にやっと通じ合うという、ごくシ
ンプルな話ですが、しっとりとした雰囲気が良かったです
ね。ピアノのせいもあると思いますが、村上左知さんを思
い出しました。

2話目はそんな二人の、卒業後の遠距離恋愛。1話目は
雰囲気重視のドリーミーな感じでしたが、一気に現実的な
話になってたことで、親しみが沸きました。可愛い。

『Easy Listening』は、コンビニバイト君と常連さん+
バイト君に気のある店長のショート。一旦終わったかと思
ったらまたオチがある、ゆる〜い二段オチが面白かったです。

『灰青色の四月』は、チャラ男・比留間のことが好きで身
体を許した優等生・今井だったけど、比留間は他のコとキス
してるのを見せ付けたりして・・・という好きなのに意地悪し
ちゃう攻と、泣いちゃう受という話。ピュアな受が可愛い。

『Rose crown』は、亡くなった祖父の代わりに山奥でロ
ーズ家の書庫の管理をしているアランと、論文の研究のため
に訪れたフランシス。実はフランシスはローズ家の人で、
アランはフランシスの祖父を好きだった・・・っていう、何か
不思議な雰囲気が面白い話。

『きみのうつくしい名前』は、施設から子供を引き取って、
それを金持ちの買い手に届けるのが仕事の男と、売られる少
年リオネルの、一緒に生活した3日間の話。すごく切なかっ
たです。悲恋なのかぁ。最後、救ってくれても良かったなぁ。

『満天』は、大学進学で上京したきり、一度も帰ってこなか
った社会人二年目のアキと、年下の幼馴染(高3)・ハル。
この本の中で、唯一濡れ場アリ。結構何か、淡々と進んでき
ただけに、へぇ・・・そうなんだ、そんな感じで描いちゃうんだ・・・
みたいな、こっぱずかしさがあったw でも好きよ。

初コミックスということで、1本以外は商業未発表の作品で
したが、独特のしっとりとした空気は、結構良い感じでは
ないかと。1回目読んだ時は割と薄味に感じてしまったんで
すが、2回読んでみると良さが掴めたような気がします。

本来の自分の趣味として読みやすさ的には、表題作や『満天』
といった現代モノなんですが、ギムナジウム好きと言っている
作者さんが完全に自分のものにできてるのは圧倒的に『灰青色
〜』と『Rose〜』『きみの〜』かなと。こういう設定にあまり
馴染みの無い自分でも惹き込まれる力がありました。

全体的にテンションが低めで、大きなヤマも無く、ドカンと
いう衝撃はないんだけど、センシティブ具合にやりすぎ感が
なくて、じんわりと面白さが滲み出てくる感じは心地良かった
です。


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