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つまさきに火/柳沢ゆきお 【onBLUE】


〔2013/1/25〕


★★★☆☆

舞台はパリ。幼い頃、両親の再婚がきっかけで義兄弟に
なったレジスと友意(ユーイ)は、トップバレエ団に所
属するダンサーとなった。父母を失い、二人きりで暮ら
す日々の中で、やがて義兄は深夜になると眠る義弟の身
体を欲するようになり・・・。貴公子的な義兄と蠱惑的な
義弟が織りなす、華麗で淫靡な義兄弟ロマンス。

あらすじの義兄弟カップルの他に、オリヴィエと日本人
・モリというカップル、義兄弟の亡き父・クレマンと講
師・ティエリーの若い頃の話と、3つのダンサーカップ
ルの話が収録されていました。

出だしの兄弟の話が雰囲気重視で進んでいく感じだった
ので、このままだと好みからは外れるかなと思いました
が(しかも苦手の外国設定・・・)、オリとモリの話が解
りやすくて少し好き度アップ。でもまた父親達の話が
すごく解り難くてどうしようかとw しかし終盤、再度
兄弟カップルが出てきて、今度は現実的な話になってい
たので、ググッと好きになった感じです。最後はちょっ
とウルッときました。

独特の絵柄で馴染みの無い世界ということで、全体的に
少し状況を飲み込むのが難しかったですが、読んでいる
うちに段々しっくりきて、今となっては、あれ?もう一
度読んでみたいかも・・・という、不思議な余韻のある作風
でした。恐らく、私には痛々しく感じてしまった父親達
の悲恋が、世間的には一番ウケが良さそうな気がします。
それぞれの話をもっとじっくり細かく描いてあると、も
う少し好きだったかもという感じです。


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ワンダーラスト/柳沢ゆきお 【F-Book】


〔2012/4/16〕


★★☆☆☆

数年振りの同窓会で集まった男女4人の幼なじみ達。田舎に残
り家業を継ぐ「チャリ」、唯一の家庭持ち「シュージ」、紅一
点「ヒカリ」、そして誰からも好かれる「ノン」・・・ だが、彼
らが集まった本当の理由は、学生時代に行方不明になった「ヨ
リちゃん」からの手紙によるものだった。中学最後の夏休みに
消えたヨリちゃんからの手紙・・・それが思春期時代に起きた彼ら
の秘密を暴いていくきっかけとなる・・・。交錯するそれぞれの想
い、そして秘められたひと夏の禁忌。それは “愛” か “執着” な
のか。主人公・ノンが愛と友情の先に行き着いた “ワンダーラ
スト” とは・・・・・・?
BL×サスペンス、新たな境地に柳沢ゆきおが挑む!!

中学時代の友人達の元に、13年前に亡くなった友人・ヨリちゃ
んから手紙が。約束の場所を訪れた彼らは、ヨリちゃんの望み
通りそれぞれが持っていったヨリちゃんの骨を返し、中でも一
番ヨリちゃんに関係していたノンちゃんが、ノンちゃんのこと
をずっと好きなチャリに後押しされながら、ヨリちゃんと過ご
した少年時代に決別していく・・・というような感じでしょうか。
ぶっちゃけかなり中二病的な内容なんで、あまり得意という感
じでは無かったんですが、キャラの濃さなど不思議な引力があ
って、え?と思いつつも面白かったです。

しかしヨリちゃんは、なぜ死ななければいけなかったんだろう
とか、本編ではサラッと流されているコンちゃんが、描き下ろ
しで非常に切ないことになっていたり(しかも冒頭で皆が「高
校を卒業してすぐ死んだ」と言っている、まさにその場面です
よね)と複数の死が絡んでいて、それはそれで刹那的で味があ
りますが、その分どんよりとした空気の漂う物語でした。
なので、BLとしての満足度は低いですが、一風変わった漫画と
しては、中々面白かったです。正直、内面的な部分は良く解ら
ないところも多かったんですが、味があって、雰囲気で満足で
きた感じです。あとがきの文章の難解さに、あぁなるほど個性
的な話を描かれるはずだと、妙に納得してしまいました。

ここまでヨリちゃんと色々あったノンちゃんがどんな生活をし
てきたのだろうとか、折角なのでみんなの矢印がノンちゃんに
向かっていたその部分をもっと見たかったな・・・など気になる部
分は多々ありますが、とりあえず今後はチャリが幸せにしてく
れそうなハッピーエンドで一安心です。
何とも個性的な作品でした。


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神とペン/柳沢ゆきお 【F-book】


〔2011/5/17〕

★★☆☆☆

自他共に認めるダメ人間・岸幹雄。雨から雪に変わる
直前のある夜、幹雄はセーラー服を着た謎の男を拾う。
「天国から来た」と言い張る男を不審に思いながらも、
男の無防備で危うい魅力に惹かれてゆく。いつか来る
であろう別れを知りながらも・・・
他、地方の山奥に住む兄弟の陰鬱で不可思議な絆を描
くダークモダン。コンプレックスを抱く学生達の愛と
友情とその他モロモロの物語、など。描き下ろしを含
め、柳沢ゆきおワールドがミラクル全開パワーの初コ
ミックス!!

表題作は、エロ漫画家の幹雄がゴミ置き場で眠る好み
の男を拾って帰り、美味しくいただいたら、その男は
神様だった・・・という話。神様という設定が良くわから
ないんですが、いつか別れが来るんだろうかという切
ない感じは好きでした。ただお恥ずかしいことに、オ
チの意味が良く解らず・・・「つげオチ」って何だろう?
ググッたけど解らなかった。

『まつりのあと』は兄弟の話。これも何か良く意味が
解らなかった。イケナイ感じは好きなんですが。兄の
生贄? 難しいな〜。

『せめて美しい言葉を。』はリーマンの志朗と在宅の
扶というカップル。志朗の居ない間に女が出入りして
る?という誤解からケンカ。仲直りH。ケンカの原因
登場・・・で比較的解り易かったです。ただ途中で過去の
場面が挿入されていたことで、少々混乱。

『さすらうよるのながくへラララ』は泣きました。死
人と残された人という話に弱い上に、最後に笑顔を持
ってこられてしまったので、妙に切なかったです。

『プリーズタッチヒアトゥオープン』は、生徒・武田
と担任・日向先生と武田の父親(血の繋がっていない
ゲイ)の話。武田は、父が変な人なので先生に会わせ
なかったのに、偶然にも二人が出会っちゃって関係を
持ってしまったという感じ。解り難くは無かったです
がちょっと変わってますね。

『四次元ラヴァーズ』は、大学で、韓国人・ソルジュ
に一目惚れした岡田が、何か頑張る話。大学生になっ
た武田くんが出てて、お父さんのお弁当と先生のお弁
当を日替わりで食べてましたw

モノローグが一切無く表情で察しながら読む感じだっ
たのでちょっぴり難しく、いわゆる普通のBLの展開
とは違い、独特の世界観でした。どこか青年漫画のよ
うな雰囲気もあるでしょうか。こういうのを上手く察
することができる人には、中々味わい深いものがある
のかもしれないですね。しかし解り難いながらも、ポ
リシー持って描かれてるんだろうなという、職人的な
匂いを感じました。次回は是非、私のようなオバカさ
んにもわかるような、簡単な話もお願いしますv


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