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天使のココロで(全3巻)/柚木南保 【ディアプラス】

  
〔2001/3/30、2002/5/30、2003/4/30〕

★★★☆☆

出会いはたった一度。三年前から胸に刻まれた、青年
の眼差し・・・。ハウスキーパーの南雲天使(たかし)
は、突然失踪した親友の借金を肩代わりする羽目に。
倉賀野組〈総聖会〉三代目の世話係になった彼は、な
んとそこで、忘れられぬ眼差しを持つ青年・・・流星と
運命の再会を果たす。実兄を失い傷心の流星を、癒し
たいと願う天使だが・・・・・・。

家政夫をしている天使はある日、高校時代からの親友
・健也に騙され、全財産を盗まれてしまう。しかも健
也の借金5千万円の保証人になっていた天使は、倉賀野
組に連れて行かれ、健也が見つかるまで倉賀野家で家
政夫をすることに。そこで天使は、3年前に自分を助
けてくれた青年に再会するが・・・


話が長いので、簡単に説明しますと・・・
天使と流星が出会ったのは3年前、18歳と16歳の頃。
天使がカツアゲされていたところを、通りがかった男
に助けられ、以来天使はその人・流星のことを想い始める。
その時流星と一緒にいた5歳上の兄・秀星は、その後、
臥竜会に狙われた二代目で、腹違いの兄・聖の身代わり
に命を落とし、そのことで流星と聖の仲は上手く行って
おらず、二人とも臥竜会の尾形会長を恨んでいる。

現在の組長(三代目)は一応流星だが、実質組を動かし
ているのは聖と補佐・多門で、一見冷酷そうな聖だけど、
実は早く金を集めて、組を解散させたいと考えている。
そして聖は実は、流星のことが好き。

そんな流星は現在、秀星の忘れ形見で5歳の宙太と暮ら
していて、昼間は工事現場で普通に働き、組の仕事自体
には関わっていない。ヤクザの家ということで最初はビ
ビっていた天使も、宙太の存在もあり、すっかり倉賀野
家に馴染む。天使が来たことで家の中が明るくなり、一
見平和になったかに思えた倉賀野家だったけれど、秀星
を殺った、臥竜会の尾形会長の妾腹の子で、ヒットマン
のカズが、流星に執着していて、自らの手で流星を殺り
たいと画策し、天使にまで手を出してきて・・・

というわけで、臥竜会VS倉賀野組なんだけど、臥竜会の
尾形会長は、倉賀野組先代で、亡くなった流星達の父に
若い頃から嫉妬心を抱いており、やがてそれが執着に代
わり、倉賀野組を潰すためにとち狂っていたり、カズも
ただの殺人マシーンかと思ったら、6歳まで育児放棄の
母親に納戸に監禁されていて、発見時瀕死状態、子供の
いなかった尾形に引き取られたものの虐待、みたいな
暗い過去などもあり、なかなかどうして奥行きのある話
になっているんですね〜。こんなんじゃ全然説明不足な
んですけどね。

最初はトラブル巻き込まれ系な話なのかと気楽に読んで
いたら、意外に広がりがあって、どんどん血生臭い話に
なっていったので、これはどうなるんだ?ヤクザマンガか?
と心配しておりましたが。案の定、二人のラブの話として
はすごくぬるいので、正直もう少しそこんとこが欲しいと
は思うのですが、兄弟愛、家族愛、師弟愛、口にできない
愛、しかもプラスもマイナスも入り乱れていて、これは
これでラブだらけだなと。

限りなく甘さ不足ですが、それもまた良し、と満足でき
るのも、やはりしっかりとした読ませる話だったからで
しょうね〜。予想以上に面白かった。
何より野望と男くささがいっぱいの中に、ポッと出てくる
宙太の愛らしさv 危険だからと暫く多門の実家に非難する
ことになった宙太の、泣きながらも健気でおりこうさんに
従う姿には、思わず号泣してしまいました。あぁ可愛い。
可愛すぎる。ちょっと途中でピンチ!?と思わされる部分
もありましたが、彼が巻き込まれなくて良かった〜。この
作品の中で、一番好きなキャラかもしれないw

というわけで、恋愛面で言うと薄いですが、皆がそれぞれ
色んな想いを抱えているということは量れるし、夢中にな
って読んでしまいました。
ラストはぶっちゃけ、何でカズを殺さないんだ・・・と思った
けど、カズの過去を知っちゃった流星と同じく、読んでる
方もネグレストを見せられてるから複雑なわけで。しかし
ちゃんと、臥竜会の悪事が裁かれるという納得いくラスト
にもなっていて、ありゃ上手くまとめてきたなとw

前作『愛情仁義』のラブコメが読みやすかったので、探して
読んでみたんですが、思った以上に楽しませてもらいました。
得したw


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愛情仁義/ 柚木南保 【cult】


〔2009/11/27〕

★★★☆☆

関東龍円会の組長の息子・真斗が想いを寄せているのは
若頭の刃(じん)。でも、幼い頃からそばにいるうえ、
男同士なので胸に秘めたままだった。それに加え、真斗
は組のために政略結婚をしなければならない身で・・・!?
障害が多い二人の恋の行方は・・・v

表題作シリーズが2話と、短編4話収録。
表題作は、10年前からお世話係をしてくれている刃と、
そんな刃に近頃ドキドキしちゃう高2の真斗がくっつく
までと、恋人同士になってからは、真斗にお見合い話が
きて二人は恋を諦めるのか・・・というのが、とてもノリ
良く描かれている、わかりやすいコメディです。

真斗の相談相手として、組員のヤスという男が出てくる
んですが、これがちっこいブッチャー(古っw)みたい
な外見で、ちょっと変態チック・・・かと思ったら、かなり
良い奴で、非常にスパイス的役割を果たしてくれてるん
ですが、お陰で相当少年漫画のようなノリになっちゃっ
てます。でも個人的にはこういうの結構好きです。

ちょっとクセのある絵ですけど、意外とひとつひとつの
表情とか可愛らしくて、最初の坊ちゃんを起こしにきた
刃が、超笑顔で「着替えのお手伝いを」って言うとこと
か、初対面のシーン、助けに来てくれた刃に見とれる真
斗とか、いちいち笑顔にさせてくれるような微笑ましさ
があって、表紙の印象とは良い意味で、だいぶ違ったな
ぁと。

『ひとめ逢ったその日から』は、他校の生徒とケンカば
かりの不良・湊のことを、実は密かに好きな生徒会長・
船橋。表はクールに装いながら、心の中では「可愛い〜」
を連発。その日の湊の様子を手帳につけてたりするという、
会長の変態チックでアホなところが愉快で可愛いコメディ
でした。

『バニラの恋』は、週に2,3回やってくるお客さん・ア
キラさんに恋したパティシエ・深月。これはまぁ普通。

『御子柴君のヒミツ』は、営業の新人・御子柴が、接待の
翌朝目覚めたら、取引先の社長とベッドの中。実は酒に弱
すぎて、過去にも親友・黒滝とそういうことになっていた。
すると社長から、先日の情事のビデオが送られてきて・・・
というわけで、そのビデオにより脅され関係を迫られるん
だけど、飲んだ酒によって体質が変わるという特殊な力が
あることを、既に身を持って確認済みの黒滝により、それ
を利用して、社長に反撃〜という愉快な話。バカバカしく
て宜しい。

『あなたが欲しい』は、コンビニ店員と、お客としてよく
やってくる、年上のエリートリーマン・広瀬。いつまで経
っても手を出してこない広瀬のことを、元カレに相談した
ら・・・ と、意外とひねりが無かったけど、受ちゃん可愛い
し、ラブラブだから許すw

そういうわけで、思った以上に楽しめて満足です。まぁラ
イトなので、深みを求めてる人には物足りないでしょうが、
唐突エロじゃなく、ちゃんと順を踏んでるのが好感持てる
し、ギャグでふざけてるだけじゃなくて、ラブに関しても
しっかり描かれているのが好きだなと。表題作なんか、も
っと読みたいくらいでした。


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