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500年の営み/山中ヒコ 【onBLUE】


〔2012/7/25〕


★★★★★

「あんまり似てなくてごめんね・・・好きだよ」
亡くした恋人を追って自殺したはずが250年の冷凍保存の末、
未来世界で目覚めた山田寅雄。世話係として起動したアンド
ロイドは優しく親身になってくれるものの、亡くした恋人の
“3割減”な残念ロボットで・・・?
いじっぱりな青年が愛を受け入れ希望を求めて歩き出す、痛
切な未来ラブストーリー。

父親同士の仲が悪いため、同級生の光のことをずっと好きだ
ったが想いを告げられなかった寅雄。しかし大学1年の時に、
ふとしたことでお互いに好きだったことがわかり、二人は付
き合い始めることに。だがそれからまもなく事故で光が死ん
でしまい、寅雄は絶望から後を追い、ビルから飛び降りて死
んだ。・・・はずだったが、目覚めたのは何と250年後で、
そこには光のアンドロイド・ヒカルが居て・・・。

いやもう、最初に寅雄が両手を広げてダイブする姿を見た時
から、切なくて涙が出ちゃってたんですが、もう最後の最後
まで、ほぼ泣きっぱなしで、しかも何回も読みなおしてはそ
の度泣いてるので、もう鼻の奥から目の奥から痛すぎてw

自殺を図ったものの一命を取り留め、両親の意向により250年
冷凍保存されていた寅雄が、脳手術を受け目覚めると、光に
似た感じのアンドロイド・ヒカルが世話係として居て・・・と
いうのが第1話。
飛び降りシーンで泣けて、反対しながらも寅雄を光と一緒に
居させてやりたいという父親の想いにも、勝手に死んでごめ
んと謝る寅雄にも泣けてと、いきなり序盤からヤバかったで
す。この飛び降りシーンですが、すごく小さい絵なんですけ
ど、大きく手を広げていて飛び出した少しも迷いが無さそう
な寅雄の姿に、光に対する想いが込められているようで、何
かもう切なくてですね。

第2話は、アンドロイドなのに、オリジナルより「3割減」
のデキが悪いヒカルとの生活の始まりの話。
出だしの回想シーンで「簡単に好きって言うと減る!」と
怒る寅に、「好きだって言うとお前が可愛い顔をするから、
好きって言うたびに好きになるから減らない」と応える光が
素敵でしたね。しかしそんな光には及ばないと自覚していて
頑張っているヒカルがまた健気で可愛い。来年行こうと約束
していた尾瀬に、行ったじゃないか覚えてないんだなと責め
る寅雄が切ない。

第3話は、ヒカルを尾瀬に連れて行くと約束し、初めて抱か
れる寅雄という話。ここまで地面スレスレを行ってるような
感じで、ここでちょっとフワッと浮上したかと思ったら、最
後にドスンと落とされ、胃がキリリと。アンドロイドとのキ
スが、スプーンを舐めるみたいに〜という表現なのが上手い。

第4話は、起きたらヒカルの姿がなく、代わりに本来送られ
てくるはずだった、見た目は光そのもののヒカルAが。しか
し寅雄は、出来損ないのヒカルを・・・という話。ヒカルの感情
に罪悪がなく無邪気なのが切なかったですが、何かが芽生え
た瞬間にまたウルウルと。ラストの「1度目よりは〜」に
また涙。この1話だけでまた、下げ上げ下げされて、心臓が
持ちませんw

ラストは、足2本を痛めてしまったヒカルを背負って、砂漠
を戻る寅雄だったけど、目覚めるとまた250年が経っていて
ヒカルは居なくて・・・という話。お前が好きだからお前のため
に頑張りたいと、人間はこうしてしまうものなんだと言う寅
雄に涙。ヒカルに会うため尾瀬を目指し力尽きても、連れて
行くという約束の為だけに生きたいと願う寅雄の姿に涙。

・・・というかもうずっと涙、涙で、泣いてない部分は無いん
じゃなかろうかw 描き下ろしの無邪気にほんわかしている
ヒカルまで、これまでこうやって250年過ごしてきたの?
と思うと涙ですよ。また彼が「とらさん」というひらがな呼
びなのが可愛くていいんですが、これが本編ラストに、しか
もふきだしの形がいつものほわほわなのが、あぁ変わってな
いわ〜と。感動がこみ上げてきて堪らなかったです。

いつもお上手ですが、今回の演出・構成も抜群でしたね。
この方のモノローグは、見事にググッと物語の色を作ってい
るなと。何とも言えない味があって素敵ですね。
ほんわかと切なさが交互にやってきて、何かもう本当、たま
らないとしか言い様が無いですね。全場面、名場面!
そんな中、何気に250年後には阪神がワールドカップ制覇し
ていて、500年経ってもハゲの予防薬は出来ていないという
コネタにウケました。

250年と半年と250年とか、とてつもなく壮大なSFで、
決してそれぞれの時間がたっぷり語ってあるというわけでも
ないのに、ちゃんと読み手にそれ以上の物を感じさせてくれ
るように描ききれているのがすごいなと。

愛する人を亡くし、自分も消えてしまいたかったのに生かさ
れてしまった寅雄が、自ら生に向かって進んでいくという、
愛の物語でした。こんなに何もかも変わってしまった日本に、
尾瀬という場所が残っていたということも、ヒカルが待ち続
けてくれたことも、何より寅雄が生きていることが奇跡で
すね。きっと亡くなってしまった本当の光も、どこかでちょ
ちょっと手を貸してくれてたりするのかな〜などと勝手に思
ったりして、また涙。

あぁ文句なしに素晴らしかったv
久々に、BL読んでて本当良かったな〜と感じた1冊でしたv


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ギブズ/山中ヒコ 【ディアプラス】


〔2012/5/30〕


★★★☆☆

目覚めると土の中にいて、知らない男に抱きしめられていた。
男の名前は、原田。自分は一切の記憶をなくしていた。ヤクザ
だった過去と田中始という名前、組同士の抗争で殺されかけた
ことを知った始は、同じ組の構成員だった原田に匿われること
になる。だが原田は「あんたはおれの恋人だった」と言って強
引に始を抱き・・・・・・?

というわけで、柳瀬組の親である河口組の後継争いにより殺さ
れかけ、土の中に埋められて記憶を無くした柳瀬組の幹部・田
中が、同じく幹部だという原田(本当は田中の舎弟)に助けら
れ、生きていることが河口組に知られると命が危ないというこ
とで原田のマンションに匿われることになったが、原田は自分
達は恋人同士だったのだと田中を抱く。しかし実際のところ、
恋人同士で無い上に、柳瀬組長に裏切られたと説明していた原
田だったが・・・という、ヤクザ同士の話でした。

実は一度読みでは、抗争の部分の話が飲み込めず解り辛い話だ
な〜と思っていたこともあり、テーマの割にはサラリと読み終
えてしまった感じだったんですが、もう一回読んでみると、あ
る程度事情が把握できているだけに、細かな間の取り方に目が
行くようになり、その上手さに結構しびれました。あと可愛ら
しいデフォルメ絵の楽しさにも。派手さは無いしラブな表現自
体も少なめなんですが、何かじんわりと、アリだなという。

しかし結局のところ、原田は何故に柳瀬の親父を裏切ったのか。
そうやってのし上がっていくのがヤクザだ、と言われればそう
なんでしょうが、何かあまり気持ちが良くない感じだったので
もっと細かな説明が欲しかったです。

あとは田中もそれなりに信念を持ってヤクザをやっていたと思
うし、柳瀬の親父に対する親愛や忠義もあったと思うんだけど、
その思いが記憶が戻っても特に盛り上がることが無かったとこ
ろはちょっと気になってしまったかなと。裏切った原田に対す
る部分など、もっと滾るものがあっても良さそうですが。
自分を体を張って助けてくれた原田に絆されたのかとも思いま
すが、何かちょっと、そこまで愛情が育っていたようには見え
なかったので。

なので最後の、原田の言動を思い出しながら答えを出した田中・・・
という、これはこれで素敵な終わり方で上手いなとは思ったけ
れども、どうも、感動したというところまで気持ちが盛り上が
らなかったです。あと果たしてヤクザの上の人は、それで許し
てくれるものなんだろうかという疑問もあり。
やはり全体的に説明がもっとあっても良かったような気がします。
ただ、詰め込みすぎちゃうと読みにくかっただろうと思うし、
画面の分量的にはこれくらいがちょうど良かったので、あと2
話くらいあったら良かったのかもな〜と。

まぁでも、記憶が無いことをいいことに、見事愛する人を手に
入れた、下克上ラブとしては中々面白い話でした。
あとは下っ端・スカイがめっちゃ可愛いくて、彼が居るだけで
和みましたね。寝相の良さに、意外に育ちがいいのでは?とい
う振りがあったので、是非とも彼の諸事情も覗いてみたいとこ
ろです。何はともあれ、強く生きるのだよw
本編の補足になっている描き下ろし(というか、これが無かっ
たらモヤモヤで終わっちゃうところでしたねw)では、田舎臭
プンプンのチビッ子達が大変可愛くてグーでしたv
こうやって、田中の船が帰ってきた瞬間駆け出す原田なんかを
見ると、もっと「犬」になった(戻った)ところまで見たかっ
たような気もしますねw
やっぱり何だかんだ言っても、色々と絶妙で面白かったです。


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エンドゲーム(2巻・完結)/山中ヒコ 【ディアプラス】


〔2010/12/29〕

★★★★☆

「殺したのは、オレだ」・・・衝撃の告白を聞いた克哉は
透を詰り、家を飛び出した。透が母を殺したという事実
より克哉を苦しめるのは、二人で過ごした幸せな日々が
全て、償いのための偽りだったかもしれないこと。自暴
自棄になって街をさまよう克哉だが、そこにある男の影
が忍び寄り・・・・・・?

この作品は気に入っていたので、しっかり把握した上で
読まなければと、いつもならまず2巻を読んでまた1巻
から・・・と読むところですが、敢えて最初から1巻からの
通しで読んでみました。
やっぱり1巻から泣いた〜! 子供克哉の過酷さが切ない
のと、透と過ごした2人家族の温かさに、何回読んでも
泣いてしまいます。

透の告白を聞いて、家を飛び出してしまった克哉。そこ
に声を掛けてきたのは、以前道端で会った母の知り合い
だという男・黒田で・・・ ということで、謎の男・黒田の
再登場と共に、12年前の出来事が再生されていくんです
が・・・ 切ないですね〜。もうたまんない。克哉の境遇も
ですが、それを目の当たりにして愕然とする透の姿。い
つもぽややんとしているだけだっただけに、余計に胸が
痛いし、その後あの川原での姿だったんだと思うと尚切
ない。透の背負ってきたものの重みをずっしりと感じる
種明かしでした。

1巻の比較的ほんわかムードと違い、序盤は謎解きの部
分が多くなって重さが増していますが、全てを知っても
尚、透を大好きな克哉の色んな葛藤が微笑ましくもあり、
過去の2人を思い出してまた泣けてきて、何か色んな想
いがブワッと押し寄せてくる、不思議なパワーを持った
作品でしたね。

また番外篇1では、本編では完全にヒールだった黒田
の、決して幸せでは無かった子供時代、やっと手に入れ
た透という存在、そしてそれが無残にも壊れていく様子
・・・という部分が見られるのが面白いですね。 
彼の行動は悪でしか無いし、どういう過去があったとし
ても許されないことだと思うんですが、少しだけ見方が
変わりました。ここでの克哉の告白に号泣。本当は克哉
にとって、透だって充分憎しみの対象だと思うんですけ
ど、それ以上に透の与えた幸福の方が大きかったんだな
という。それが納得いくように、前の部分でしっかり描
いてあったのが何よりこの作品の秀逸なところだと思い
ます。

番外篇2は、名古屋の大学に進学した克哉が、休み毎に
帰ってきては悶々・・・という、思春期全開な話でしたね。
本編で出来なかった分をここで発散させるかのようなw
実は透は一度も克哉のことを好きだと言わないし、克哉
もそれを解っていて、でも抱かずにはいられない・・・と
いうことで、永遠の片想い的な切なさはあるんだけど、
でもやっぱり透の表情を見れば、もう親子でも恋人でも
どうでもいいなと。克哉の成長が幸せなら、それでいい
んだなという余韻のある感じがもどかしくはあるけれど、
そういう曖昧さも一興だな・・・と思えるんですよね。

そんなわけで、1巻からの期待を裏切ることのない、納
得いくまとまりでした。途中はほのぼのの中に仄暗さが
漂い続けるし、ラストも決してハッピーとは言えないで
すが、何故だか惹きつけられてしょうがないし、私はこ
れはこれでハッピーエンドなんだと感じました。
間違いなく、読み返すたび何回でも泣いてしまうんだと
思いますw


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エンドゲーム(1巻)/山中ヒコ 【ディアプラス】


〔2010/7/30〕

★★★★☆

克哉は共に暮らす親代わりの青年・透に道ならぬ恋心
を抱いていた。ある日、無くなった母の知り合いだと
いう男から、母の死は事故ではなく轢き逃げ・・・殺され
たのだと聞かされる。母の記憶はおぼろげで実感の湧
かない克哉だったが、遺留品から、透が犯人かもしれ
ないという疑惑が生まれ・・・・・・!?

あまりの切なさに打たれまくりで、でも何か心地良く
て、思わずマゾかと言わんばかりに4回続けて読んで
しまいました。

事情があって家族になった透と克哉。10年経って高校
3年生になった克哉は、父親代わりである透に、どう
しようもない欲望を抱きはじめており、それを振り払
うかのように、柔道に専念していた。しかしある日、
母の知り合いだという男から、母が轢き逃げ事故で死
んだと聞かされた克哉。事故について調べた克哉は、
ある事に気付いてしまうが・・・

幼い頃、事故で母親を亡くした克哉は、物心ついた頃
から施設で育っていたんですね。ある日、絵描きなの
に絵を描けなくなっている青年・透に出会った克哉は
透に懐き、克哉に癒されることで再び描を描きはじめ
た透は週末毎に現れ、二人は仲良くなる。そして色々
あって、二人は家族になった。

そういうじっくりと確実に積み上げてきた愛情と絆が
しっかりと描かれていて、そこが母の死の真実を知る
ことにより、揺らいでしまうのか・・・?という、すごく
ドキドキとする展開になっています。

とにかく、魅せ方が上手い!現在の、克哉が透を意識
し始め、少しぎこちないながらもほっこりとした二人
の生活の中に、辛い過去の映像や、いつも透に救われ
てきた克哉の映像や、透が本当に父親のように、いや
それ以上に克哉に愛情を注いできた映像が挿入される
ことで、キュンキュンウルウルさせられっぱなしで、
こうやって書いてても、感極まるものがあります。
何でしょうね〜。この切なさは。

透への想いに苦しみながらも、無知だったからこそ幸
せだった克哉が、知ってしまって尚、透を愛せるのか・・・
という感じですが・・・あぁ貫いて欲しいですよ。だって
ここまで育ててくれたんですもんね〜。
事件に関しては、黒田という人物がすごく関わってる
ようで、母の知り合いと言ってた彼がそうなんでしょ
うか。彼の言っていた「仕返しはした方がいい」とい
う台詞がすごく気になっています。
今後の展開次第では、これは名作になる予感。という
ことで、期待も込めての★4です。年末には続きが出
る模様。早く読みたい!


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丸角屋の嫁とり/山中ヒコ 【ディアプラス】

 
〔2009/9/30〕

★★★★☆

武家の庶子である鈴は、本妻の目を恐れ男の身で
女として育てられた。美しく成長した鈴はある日、町で
ならず者に絡まれたところを町人の新三郎に助けられ
る。以来、男というものへの憧れを育て始める鈴。だが
父から借財のカタに嫁入りを命じられ・・・・・・・?

武士の側室の子である鈴は、男でありながら女として
育てられ、母が亡くなってからは、うばやとその孫・荘
太(しょうた)との3人暮らし。気の強い鈴は、時に悪戯
をしながらも、荘太を実の弟のように可愛がっていた。
数年後、美しく育った鈴は、荘太と出かけた町で絡まれ
ているところを、威勢の良い町人・新三郎に助けられる。
初めて本物の男を目の当たりにした鈴は、自分もそう
ありたいと憧れを抱き、父に勘当してもらい、男として生
きるつもりだったが、父が嫁入り話を持ってきて・・・

結構泣きました。(あ、私、通常より決壊点低いですw)
何だろ、鈴が哀しいというのもあるけど、荘太のシーン
の方がたまんなかったですね。というか、二人の子供
時代は全部、微笑ましかったり哀れだったりして、ノス
タルジックな気分も沸いてきて、泣けちゃいます。こう
いうの弱いんだよな〜。できればもう少し、新三郎の良
いところを見せてもらえると、より好きだったかも。若干
影が薄かったような気がして勿体無い。
しかしいいですね、山中さんの時代劇。非力な自分で
はどうにもならない切なさ、みたいなものの表現が、画
面全体から染み出てて、キュンとしちゃいました。正直
もっと読みたかった。


もうひとつの収録作品 『新しい武器』 はリーマンモノ。
何かを諦めているように、決まった毎日を送るだけの
神田が、使えない新人・染谷にペースを乱されながらも、
次第に心地良い関係になっていく・・・という話。
なんだけど、こう上手いこと、染谷の方にも過去の出来
事によりできた心の闇みたいなものがあるというのが表
現されている場面があって、無力な子供時代が登場す
ることにより、人物に深みが出ていて、ただのノーテンキ
な攻じゃないというところが、衝撃でした。このヘラヘラは、
ある意味防御なのかもしれない・・・と。
小気味良いテンポで挿入される短めのモノローグも、
不思議な味を出していて、非常に好きです。

続編 『吉野が二人の関係に気づいた日の話』 は、彼ら
の同僚・吉野目線の話。ここでしっかり染谷の神田に対
する想いが描かれているのが、本編をさらに補えてて
いいですね。吉野が意外にイイヤツ。というか、二人の
人柄がそうさせたんだよな〜。

個性があって色んなパターンの話が描けて、そして毎回
切なさの差し込み具合が上手くて、益々今後も要チェック
な作家さんですね。どんどん出して〜。


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王子と小鳥/山中ヒコ 【花音Cita】

 
〔2009/8/29〕

★★★☆☆

貧乏美大生・鈴木圭一が目覚めると、そこは砂漠の国
のオークション会場だった。借金のカタに奴隷として出品
された彼が、強欲な第一王子の手におちようとしたその
時、その弟であるハーリド第二王子によって買い上げら
れる。ハーリドの奴隷となった鈴木は日々逃亡を企てる
が、王子の優しさに少しずつ惹かれはじめ・・・。
 
貧乏美大生・鈴木圭一は、たった一人の家族で、大好き
だった祖父の借金を返すつもりで競馬で大負け。サラ金
に手を出してしまい、気付けば海を越えて、砂漠の国に
まで売られてしまった。そこで強欲なトルーキ第一王子に
買われようとしていたところを、ハーリド第二王子に引き
取られる。貞操の危機も覚悟した圭一だったが、ハーリド
は思いのほか優しくて・・・

というわけで、言葉の通じない異国にとどまる羽目になっ
た圭一は、何度も脱走しようとするんだけど、ハーリドや、
幼い弟のミシャーリが今まで傲慢な兄によって色んな我慢
を強いられてきたことなどを知り、ちゃらんぽらんにやって
きた自分のいい加減さに気付き、そして互いに理解し合お
うとするうちに、恋も芽生えるという、すごくいい話でした。

最初、表紙を見て、よくある砂漠ファンタジーだろうと思って
いたら、主人公が意外に飄々とした感じだったので、なんだ
ギャグなのかと思ったら、アホっぽく笑える場面の合間に
すごく切ないシーンが盛り込まれていて、予想外にウルウ
ルしっぱなしでした。

何がいいって、この言葉がほとんど理解できない状況での、
少しずつだけでも伝わってる感じ。加えて、王になるべき
長兄には一切背くことのできないという理不尽なことが、
当たり前として子供のころからあるという切なさ。
大事な物は取り上げられ、目の前でぐちゃぐちゃにされる
より、先に自分の手で壊してしまうのがマシだというのを、
子供時代からの経験から弟に諭すハーリドが、たまんな
かったですね。

それにしても、日本のアニメ「ポケメン」に憧れるミシャー
リが超絶カワイくて、圭一とのやり取りには、ほのぼのし
まくってしまいました。こんな子の邪魔までするなんざ、
長兄鬼や。

そんなわけで、最後の車中でたどたどしく圭一が話すシ
ーンに、大号泣。お前を窓から投げ捨てる訳にはいかな
いと言った王子に、また号泣。圭一のオバカな印象とは
裏腹に、なかなかインパクトのある、良い物語になってい
たと思います。

それと一本だけ'07年の短編 『淋しさの値段』 というのが
収録されています。お掃除サービスのバイトの子が、仕事
先で5千万円の壷を割ってしまい、その会社の社長の奴隷
になる話。金はあるけれど可哀想な大人を、彼が今後どう
いう風に変えていくのか、またはそのままなのか、とても
続きが気になるところで終わっています。でもこれはこれで
面白い。

こうやってみると、前作 『初恋の70%は、』 でやや絵の
荒さが気になっていたけれど、随分すっきりとして、話も
読み易くなってると思います。個性も抜群なので、今後が
楽しめそうな作家さんだと思います。


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初恋の70%は、/山中ヒコ 【ディアプラス】


〔2008/9/30〕

★★★☆☆

「・・・汗だくの杉山を見ていて、オレは考えてた。
 つけこむなら今だって」
初恋の70%は、何でできてる?
甘ずっぱくてほろ苦い妄想の繰り返し・・・。

何でもそつなくこなすモテ男の春日部は、陸上部の杉山
のひたむきに走る姿を目で追ううちに興味を覚え、妄想
の中で彼にいやらしいことをするようになってゆく。
仲良くなりたいのに話しかけることもできないでいたあ
る日、文化祭の実行委員会で杉山と一緒になるが・・・?

教室から眺めてた、走る陸上部員の「黒いツブ」みたい
な認識だった「スギヤマ」が、ある日を境に「懸命に走
る杉山」に変わるという青春な話。
思ったより素朴系の絵で、最初は荒いか?とか思ってた
けど、これはこれで味があってアリ、というか、時間が
経つと馴染んできて、結構クセになるかも。

面白かったのは、杉山が文化祭の委員会でズケズケ発言
するあまり女子達に嫌われていくのを、杉山に好意を
持ちながら想ってるだけの春日部が「・・・嬉しい・・・!!
オレの好きな男が女子共に嫌われていく・・・!!」と、
ぞくぞくと身震いさせるシーン。ちょっとヘンタイ入って
るヤツって好きだなぁ。あとは杉山が懐くと無防備に
密着してくるとこが萌え。というかそれに戸惑う、
「離れて」「いや離れないで」の春日部に萌え。
残念なのはラストの姫だっこの意味が解らないとこ。
あと数人登場する女子達の思惑がいまいち不明。


『少年について』は、かつあげに遭っている所を助けて
くれた同級生の佐々木に恋心を抱いてしまった田中。
女子情報により、佐々木は軽くてうざくないコが好みと
聞いた田中は、軽い感じで佐々木にお付き合いを申し出
ると、あっさりOKしてくれて・・・
田中が乙女で可愛い!お姉ちゃんのBLを勝手に読んでたら、
おすすめを渡されて引いちゃったのがウケた。

『恋と恋の間』はバスの中で、好きな人を見ている人を
好きになっちゃった話。時系列まぜまぜなのが面白い。

というわけで、若干雑っぽいんだけど、テンパってる
感じを表現するのが上手いので、何か楽しかったです。


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イトラコナゾール