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ほとりのとばり/三崎汐 【ルチル】


〔2013/10/24〕


★★★☆☆

ひそかに想い続けてきた幼なじみ・睦月が、ぽろぽろ涙をこぼし
ている。そんな夢を内田が見た翌日、睦月の初恋のひとが見つか
った。「睦月のよさをわかっているのはこの世界に自分ひとりだ
けで、もしかすると睦月は一生、俺の隣にいるかもしれない」
胸に確かにあった期待を砕かれた内田は、突然のなりゆきを呪わ
しく思うが・・・。そこは夢。けれど幻や物語なんかじゃなく、現実
の延長線上、はしっこのはしっこで確かに繋がっているところ。
夢の中ひとり佇む「彼」と出会った悩み多き青少年は・・・・・・?
三崎汐が夢とうつつのあわいに紡ぐ連作集、描き下ろしも収録。

今年デビューというのに既に3冊も出ちゃいましたね。個人的に
は今年一番印象に残った新人さんでした。
今回は、伝えられない想いを抱えた若者達が、夢の中でとある少
年に出会い、彼には素直に話せるし自分の感情のままに動けてい
て、それをきっかけに現実世界でも・・・というファンタジック
な設定でした。なので若干解り難いところもあったんですが、や
はり子供独特のリアルな残酷さみたいなものを描きつつ、ほんわ
かとした幸福感も味わえるこの独特の空気が面白かったですv

第1夜は、要領が悪く往々にして努力が報われない上野が、優秀
なクラスメイト・十島とキスをする夢を見てから、十島のことば
かり考えるようになり・・・という話。ただの恋の話でなく、見て
いてくれる人がいて、努力を恥じることはないよと言葉をかけて
もらうことで浮上していき、尚且つ強い人間になっていってるみ
たいなものが見える話になっていて、何か良かったです。小学生
時代が可愛いv

第2夜は、恋人・友野とイチャついていた仲が、それをクラスメ
イト数名に目撃された上に、友野が仲に襲われたと言ってしまっ
たことから、学校に行きづらくなってしまったけれど、夢の中で
友野の闇を知って・・・という話。いやまぁ、だからと言って、人に
なすりつけちゃった友野は最悪だったんですけどねw 速読しなが
ら告白する友野が印象的でした。

第3・4・最終夜の3話があらすじの話。ずっと好きで面倒を見
てきた幼馴染・睦月が、初恋の女の子と再会してしまったことから・・・
という話。ちょっと、とばりちゃんのことが良く理解できなかっ
たのは自分がアホだからでしょうかw
微妙に抜けてるというか鈍臭いんだけど何か強いものを持ってい
る、ある意味紙一重な睦月の小学生時代の描写が秀逸で愛しかっ
たです。腕の痛みは薬を飲めば大丈夫だよと笑顔で言っていたの
に、お母さんに痛いよと泣きついてるところとか堪らなかった。
何度も睦月に洟をかませるうっちーという構図もすごく魅力的で
したよね。

そういうわけで、ファンタジーな部分は若干飲み込めてないとこ
ろもあるんですが、やっぱり何かリアリティのある描写が上手く
て好きです。既にしっかり自分の色が確立されてますよね。
どんだけ引き出しがあるんだろうと、本当に今後も楽しみでしょ
うがないですv


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やさしいやちよ/三崎汐 【ルチル】


〔2013/9/24〕


★★★☆☆

やっかみ半分からかい半分で周囲から「スカしている」と遠巻き
にされる転校生の秋野。そんな彼にただひとり親切に声をかけた
のは、いつもにこにこしていて休み時間には内職に励み、クラス
メイトの雑用をささやかな報酬で引き受ける八千代だけ。もうす
ぐ妹の誕生日だから・・・そう言って嫌な顔ひとつしない八千代に
少しずつ、確かに惹かれていく秋野だが・・・・・・?
表題作ほか、「猫」シリーズ連作と読みきり作品、それぞれのそ
の後を描き下ろしショートとして収録。あまくてときどきチクリ
と苦い、粒ぞろいの作品集。

2冊目のコミックスは4カップルの話を収録の読みきり集。
前回の『はるのうららの』がすごく面白くて、早く違うの読みた
い〜!と思っていただけに、このペースは嬉しいかぎり。しかも
明後日には『ほとりのとばり』という3冊目も出るようですね。
短めの話が多いので前回ほどの濃さは無いかなと思いますが、
期待通りやっぱり面白かったですv

表題作は、イケメンでスカしてる風に見られて敵が多いタイプの
転入生・秋野が、唯一、貧乏ながらも健気に生きているクラスメ
イト・八千代に声を掛けられ親しくなるが・・・という話。
どこからが賭けだったんだろう。最初から? 説明するとなると
何でもない話なんですが、何かこの和みムードと、チクッとしつ
つもやっぱり最終的には和むという、空気の流れが面白いんです
よね。描き下ろしでの、妹の友達の男児がウケるw ピュア!

『あをいあらし』は、マジメな学級委員長・山口が、前の学校で
男の教師とデキていたと噂され遠巻きにされている転入生・吉森
の世話をするうちに、自分の気持ちを否定しない吉森のことを羨
ましく思うようになり、同姓を好きになってしまった過去の自分
を許せるようになるというような話。
マイノリティに苦しむ姿が、嫌味なく描かれていていいですよね。
「自分を押し殺す方がずっと怖いな」という吉森のセリフが印象的。
周りの反応が酷すぎて辛かったですが、山口が救われて良かった
し、吉森にとっても良い巡り合いになったなと。描き下ろしの
『とをいあらし』で、吉森の相手だった先生が、山口の上司にな
っていたという巡り合せには、思わずフフフと。

『猫をさがして』『猫よりかわゆい』『猫と手とって』は、高3
の1年間想い続けていた同級生・高村に、卒業後の春休みに町で
偶然会った地味な沢木が、このまま一緒の時間を過ごしていたい
と思い、咄嗟に、逃げた飼い猫を探しているから一緒に探して欲
しいと嘘をついてしまうが・・・という話。
好きな気持ちと嘘をついた罪悪感で、いっぱいいっぱいになっち
ゃってる沢木が可愛いv こういう、健気でかわいそかわいい若者
を描くのが上手いですよね。遠距離恋愛が始まってからもとこと
んダメっ子なんだけど、それでも少しずつ強くなっていく感じが
堪らなく愛しかったです。 「いちごうはにげない よ」をはじめ、
言動がいちいち可愛くて悶えたv

『パンドラの箱』は、自分をいつもイジメてくる望月の家の鍵を
偶然拾った久藤が、ついに耐え切れず、鍵を使ってみることにし
たら・・・という話。これは怖い。イジメが陰湿で胸糞悪いし、望月
の正体も怖いし、すんごいヤな感じ。苦手。でも面白いw
三崎さんの作品の中で初めての暗〜い話でしたが、実は今までの
どの話にも、こういう怖さは孕んでいるんですよね。騙したり、
相手を傷つけたりしながら本当を見極めていくというのが根底に
あって、そのドロドロしたものを、上手い捌き方でほのぼのに持
っていっているというところが面白さなのかなと思います。

それぞれ短めの話なのに、しっかりまとまっていて全部読み応え
があって面白かったです。この方の描かれるぼっち系男子が可愛
くてしょうがないw 今後も益々進化していきそうで、非常に楽し
みな作家さんです。


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はるのうららの/三崎汐 【EDGE】


〔2013/7/26〕


★★★★☆

家庭の事情で転校した大沢春介は、クラスでひとり浮いている
矢河春希と行動を共にするようになる。友達以上に互いが特別
な存在となっていたが、幼いふたりは周囲の環境に振りまわさ
れていって・・・・・・濃密なネームと心の奥底に触れるような描写
で話題をさらった、三崎汐の連載作がついに単行本化!!

何だかとっても痛い感じのする表紙と、レーベルもここだった
ので、一風変わった不思議ちゃんな話なんだろうか・・・などと
思って読み始めましたが、開始6ページくらいで、あれ?何か
これ可愛いかも〜と思って、気付いたらグイグイ惹きこまれて
いました。小6から中3くらいまでの、とても微妙な時期の心境
が繊細に描かれていて、彼らに対して何とも言えない愛しい気
持ちが湧いてきてしょうがなかったです。

家出して2年ぶりに帰ってきた兄が女装姿だったことから、自
身もおっとりしていることもあり、数ヶ月前から「おかま」と
言われクラスでも除け者にされていた小6の春希が、転校生・
春介と友達になり一番の仲良しとなるけれど、春介は家庭事情
が複雑で、素直な春希が「普通」だと思う感覚とズレがあった
り、中学になり春介に彼女ができたことに春希が複雑な感情を
抱くようになったり、春介は春希へ邪な感情を抱き始めたりし
ていく・・・という、幼くて未熟な二人が迷走しながらも、自分達
なりに成長していく話。

春介は体も心も成長が早くて、春希への恋心を早くに自覚する
けれど、春希の方は少し幼くて、ただ春介と一緒に居たいとい
う思いだけをいつも抱いていてと、タイプは違うけれどお互い
好きだと思っている二人なんですね。けれど春希の方は、兄の
件もあり、母親に「普通」であることを望まれているため自分
の意見を閉じ込めがちで、その分、常に色々頭の中で考えてい
るのが見られるんですが、これがまぁ、何とも健気で可愛くて、
まさに子供期からの脱皮の瞬間を目撃したような感覚でした。
こういう大人の世界に左右される時代を経ても尚、二人が結び
ついたことは、やはり春希の言う通り運命だったのかもしれな
いですね。

それから春希にイジワルをする、元は仲良しの同級生・美山く
んのポジションも中々面白かったですね。春希はポケッとして
いるので気付いてないですが、あなたどれだけ助けてもらって
いるのというw 主役二人だけでなく、この二人のイジメっ子と
イジメられっ子の関係が、成長と共に少しずつ変化していって
るというのも、結構興味深い部分でした。

そういうわけで、ドカンという衝撃はないけれど、ず〜っとジ
ワジワと体に染みてくるような面白さがありました。最初に中
の絵を見たとき、春希の目がドーナツみたいなのがちょっと怖
くて、大丈夫なんかなこれ・・・とか思っていたんですが、読み
進めていくうちに彼の素直なキャラと相まって、不思議と可愛
く思えるようになっていってましたね。春介のことを「しゅん
ちゃん、しゅんちゃん」と追いかけている姿がすごく印象的です。
ただ無邪気なだけではいられない微妙な年代の淡い恋心が丁寧
に描かれていて、これは読んで良かったと思える良作でしたv


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イトラコナゾール